ホアキン・フェニックスが、ゴールデン・グローブ賞の記者会見でイライラ。しかし、「ある話題」を振られると、目を輝かせて饒舌に語り始めた。(フロントロウ編集部)

記者たちからの質問にイライラ

 映画『ジョーカー』で第77回ゴールデン・グローブ賞映画の部の最優秀主演男優賞(ドラマ部門)を受賞したホアキン・フェニックス

 全世界に配信された授賞式の舞台での受賞スピーチでは、放送禁止用語を連発し、発言の多くが“無音”になるという前代未聞の独創的な演説を披露したが、その後に登場したプレスルームでの記者会見中でも“ホアキン節”が炸裂した。

画像: 受賞スピーチの様子。

受賞スピーチの様子。

 世界各国のメディアの記者たちが待つプレスルームに誘導されたホアキンだが、“もう少し写真撮影をするから”という理由で部屋にやってきたはずなのに、記者会見をしなくてはならないとは、「スタッフにハメられた」と少々ゴキゲン斜めの様子。

 さらに、一度話したことを何度も繰り返すのが好きではないというホアキンは、『ジョーカー』で演じたアーサー/ジョーカーの役作りや目を見張るような減量について記者から尋ねられると「それについては、この半年の間に散々話してきたと思うけど」、「もうそういう質問には答えたと思う。違うバージョンが聞きたいのか?ちょっとだけ変えて話してみることもできるけど、どうして欲しい? 」と、ガムを噛みながら、辟易したトーンで挑戦的な返答をしていた。

 それでも、渋々ながらも、役作りについて、「長いプロセスだったよ。自分でも、この作品への取り組み方は、なかなか奇想天外だったと思う。直線的にはいかなかったね。僕が一番興味を持ったのは、彼(アーサー)が摂取していた薬とその効果だった。体重の変化は、それらの薬の副作用によるものだと僕らは気づいたんだ。だから、薬とその副作用についても徹底的にリサーチしたよ」、「あとは、アーサーと性格に類似点があると感じた政治的暗殺者に関する本を何冊か読んだ。誰に関する本かは言うつもりはないよ。彼らはもう十分に注目を集めたからね」となどと語ったホアキン。

画像: 記者たちからの質問にイライラ

 しかし、ウワサされている続編について、「世間では、第1作目の芸術的表現を弱体化させるのではと懸念する声が上がっているが、それについてどう思う?」と尋ねられると、険しい表情に。質問者をじっと睨みつけ、「どういう意味だ?」、「なぜそんな風に思う?」と聞き返し、「まあ、誰がそんなことを言おうと僕は気にしない…。素晴らしいじゃないか、そんなことを言うヤツが僕は大好きだね」と皮肉っぽく続けた。

 その後、ホアキンは、「僕はこれまで、あまり“先が読める”ようなことはしてこなかったつもりだ。だからもし続編の話が持ち上がったとしても、それは、僕らがありがちなルールブックに乗っ取ったというわけじゃない。そのキャラクターに、今一度インスパイアされて、さらに深く掘り下げてみようと感じたからこそなんだよ。続編をやるとしたら、僕にとっては、それ以外の理由はない。僕に言えることはそれだけだ」と、それ以降、『ジョーカー』に関する質問をシャットアウトするかのような雰囲気を醸し出した。


ある質問には「水を得た魚」に

 記者たちが以前にも聞かれたことがあるような質問しか用意していなかったことにしびれを切らしたのか、ホアキンは、記者たちに向けて唐突に「君たちは一晩中ここに座ってるのか? 大丈夫か?つらくないか? 退屈じゃない? 誰か食べ物を持ってきてくれた? ドリンクは? え、何も貰ってないの? 」と矢継ぎ早に逆質問。

 続けて、「でも、会場よりもこっちのほうが、ずっと空いてるよだから、大丈夫かな」とセレブや業界人でごった返す授賞式会場内で窮屈な思いをしていたことを明かす“ホアキン・ジョーク”で笑いを誘い、その場の空気を少しやわらげた。

画像: プレスルームの写真撮影スポットでは、さっき貰ったばかりの受賞トロフィーをすでにどこかに置いてきてしまったらしく、バックドロップの絵を活用して”トロフィーを持っている風”のポーズ。

プレスルームの写真撮影スポットでは、さっき貰ったばかりの受賞トロフィーをすでにどこかに置いてきてしまったらしく、バックドロップの絵を活用して”トロフィーを持っている風”のポーズ。

 ホアキンが食べ物に言及したことにかこつけて、ある記者が、今回のゴールデン・グローブ賞では、ディナーなどのメニューがすべてヴィ―ガン(菜食主義者)食材で統一されたことについて質問。すると、幼い頃からヴィ―ガンで動物愛護活動にも熱心なホアキンの顔は一瞬にしてパッと明るく。

 「僕がこういうセレモニーで食べ物を口にしたのは今回が初めてだよ。素晴らしいと思った。今夜の食事はすべて植物由来のものにしようという決断に本当に感動した。すごく重要な一歩だと思う。SAGアワードもクリティクス・チョイス・アワードもガバナ―ズ・ボールも、ほかのあらゆるアワードもぜひ見習うべきだ」「アワードの授賞式に出席して今夜ほど誇らしかったことはない」などと、ゴールデン・グローブ賞主催者の決断を目を輝かせて絶賛。質問をした記者に対しても、「その件について聞いてくれて本当にありがとう!」と丁寧にお礼をした。


ヴィ―ガン化に貢献していた

 じつは、ゴールデン・グローブ賞授賞式での食事が“ヴィ―ガン化”した背景には、ホアキンと彼と同じく完全菜食主義者の恋人で俳優のルーニー・マーラの尽力があったという。

 彼らと親しいミュージシャンで自身もヴィ―ガンのモービーは、「ホアキンとマーラが取り仕切ったようなものなんだよ。僕とホアキンはヴィ―ガン・マフィアの中では何十年も前から親しくしてるんだけど、これ、言っちゃっていいのかな…でも、今回のアワードでヴィ―ガン食を出すように手はずを整えたのはホアキンなんだ。彼が主体となって企画したのか、ほかの人の手助けもあったのか定かではないけど、この計画については、僕はだいぶ前から聞いていたんだ」と米Paige Sixに証言した。

画像: ゴールデン・グローブ賞のレッドカーペットでカメラマンに向けポーズを決めるルーニーを恋する乙女のような表情で見つめる姿も話題になったホアキン。

ゴールデン・グローブ賞のレッドカーペットでカメラマンに向けポーズを決めるルーニーを恋する乙女のような表情で見つめる姿も話題になったホアキン。

 さらにアワード終了後、ホアキンの広報担当は、ホアキンがゴールデン・グローブ賞のヴィ―ガン化にひと役買ったことを認めつつ、「蓄農業が私たちの地球の退廃に大きく関わっていることを認め、被害を減らすために、ゴールデン・グローブ賞と主催団体であるハリウッド外国人映画記者協会(HFPA)は素晴らしいリーダーシップを見せつけてくれました」とコメントを発表した。(フロントロウ編集部)

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