シンガーソングライターのルイス・キャパルディのアワードでの“トホホな事件”がある意味オイシすぎる。(フロントロウ編集部)

素朴さが災い

 スコットランド出身のシンガーソングライター、ルイス・キャパルディは、イギリス国内では2019年に最も売れた楽曲として知られるバラード「サムワン・ユー・ラブド(Someone You Loved)」で第62回グラミー賞で主要4部門のひとつである「年間最優秀楽曲賞」にノミネート。

 残念ながら、年間最優秀楽曲賞の受賞は逃したルイスだけれど「サムワン・ユー・ラブド」は、「バッドガイ」でこの賞を手にし、女性アーティストとしては史上初の主要4部門制覇という偉業を達成したビリー・アイリッシュやテイラー・スウィフトの「ラヴァー」、リゾの「トゥルース・ハーツ」、レディー・ガガが映画『アリー/スター誕生』で披露した劇中歌「オールウェイズ・リメンバー・アス・ディス・ウェイ 」といった2019年を彩った錚々たる人気アーティストたちの名曲としのぎを削ったことで注目を集めた。

 アメリカでも同曲が大ヒットし、1月には単独来日公演を成功させたばかりのルイスだが、その類稀なる美声や音楽の才能とは裏腹に、極めて素朴な風貌で知られる。そんな彼が、グラミー賞の授賞式でちょっとしたハプニングに見舞われてしまった。

 ほかの来場アーティストたちと一緒にステージ前の専用の客席に座っていたルイスは、あろうことか「シート・フィラー(Seat Filler)」と間違われてしまったのだ。

画像: 第62回グラミー賞のレッドカーペットにて。Tシャツにトラッカージャケット、スニーカーという、ほかのアーティストたちと比べると地味でカジュアルな着こなしで登場。

第62回グラミー賞のレッドカーペットにて。Tシャツにトラッカージャケット、スニーカーという、ほかのアーティストたちと比べると地味でカジュアルな着こなしで登場。

 日本語で言うところの「席埋め係」とは、授賞式でセレブが檀上に上がったりお手洗いに行ったりした際に、空席が目立たないよう不在の間だけ席を埋める一般から募集された係員のこと。無給のボランティアだが、授賞式に参加できるうえ、場合によってはセレブの隣に座れるということで、志願者が後を絶たない。

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 ルイスは、主要部門にノミネートを果たした一流アーティストでありながら、そんな、席埋め係=一般ボランティアに間違われてしまったという事実をツイッターを通じて告白。

 「グラミー賞の授賞式の客席で、ある女性が近づいてきて、僕の座席を空けてくれって言われたよ。誰かがトイレに行ったりしたときに席を埋める、あの係の人だと思われたみたい」という、まるでネタかのようなルイスの報告には、14万件の「いいね」が寄せられ、海外のメディアも彼の珍エピソードをこぞって面白おかしく取り上げた。

 セレブオーラの無さが災いして、客席では残念な扱いを受けてしまったルイスだけれど、このプチ事件のおかげで、たくさんの人々から注目を浴びるという、結果としてはオイシイ思いをすることに。

画像2: 素朴さが災い

 ちなみに、ルイスは自分の受賞にははなから期待はしていなかったようで、レッドカーペットでの米Peopleとのインタビューには「すごく楽しんでるよ。いろんな物を食べたし、お酒もいっぱい飲んだし。ただただ楽しんでる。だって、グラミー賞にノミネートされることなんて、この先二度とないんだから、楽しまなくちゃ損だよね」と、プレッシャーや緊張とは無縁の様子で気楽に授賞式を楽しんでいるようだった。

 ちなみに、普段からかなりクセのあるSNS投稿が人気となっているルイスが、グラミー賞の会場で初投稿したのは、トイレの個室内で撮影されたコチラの1枚。

 グラミー賞のキラキラ感を微塵も感じさせないショットが逆に新鮮だと評判となっている。(フロントロウ編集部)

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