2020年アカデミー賞では、ヴィーガンフードが採用されることが決定。有名映画祭がこぞってヴィーガンフードを取り入れる理由には、気候変動の問題があった。(フロントロウ編集部)

アカデミー賞がヴィーガンフードを採用

 2020年2月9日に開催される第92回アカデミー賞授賞式において、提供される料理をヴィーガンフードにすると、アカデミー賞を主催する映画芸術科学アカデミーが発表した。

 これは、2020年1月5日に開催された第77回ゴールデン・グローブ賞や、1月13日の放送映画批評家協会賞に続く動きとなる。

画像: アカデミー賞がヴィーガンフードを採用

 アカデミー賞授賞式では料理は出されないけれど、1月27日に行なわれたアカデミー賞候補者たちのランチ会の料理は100%ヴィーガンフードであり、授賞式当日に会場のロビーで提供される料理も100%ヴィーガンフードになるそう。

 また、アフターパーティーのGovernor’s Ballでは70%がヴィーガンフード、30%がベジタリアンフードと、肉や魚を使用した料理になるという。

ヴィーガンが温暖化に効果的なワケ

 動物愛護のために行なう印象が強い完全菜食(ヴィーガン)だけれど、近年では環境問題への対策として行なう人が増加している。というもの畜産業では、家畜を放牧するために、温室効果ガスである二酸化炭素を吸収してくれる森林が広範囲にわたり伐採されていたり、家畜自体が大量のメタンを排出していたりと、地球温暖化に拍車をかける要因がたくさん。

画像: ヴィーガンが温暖化に効果的なワケ

 国連の気候変動政府間パネル(IPCC)に協力した研究者たちは、肉と牛乳の消費率の高さを問題視しており、「肉を食べるのをやめるようには言っていません。それ以外の選択肢がない地域もありますからね。ただ欧米では、明らかに(肉を)食べすぎています」としている。

ヴィーガンとベジタリアンの違いって?
ベジタリアンは、お肉や魚を食べない人たちを指す。ヴィーガンは、お肉や魚にくわえ、卵、牛乳やチーズなどの乳製品、はちみつ、ゼラチンなど動物性食品を一切摂取しない完全菜食主義者を指す。

アカデミー側の最終目標は?

 映画芸術科学アカデミーは、この決定についてこうコメントしている。

「私たちはカーボンニュートラル(※)という最終目標のために、サスティナビリティを追い求め続けます」
※カーボンニュートラル:生活の中で出した二酸化炭素の排出量と、吸収された二酸化炭素量が同じになり、大気中の二酸化炭素量に影響を与えないこと。

画像: アカデミー側の最終目標は?

 ヴィーガンフードを取り入れて先に開催されたゴールデン・グローブ賞では、ホタテに見立てられたエリンギや、マッシュルームのリゾットなどが提供された。アカデミー賞の料理はどのようなものになるのか、注目が集まる。(フロントロウ編集部)

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