生き方について
ハリウッドのきらびやかなパーティーからは距離を置き、俳優として成功後も、一時期はコネチカット州の田舎に住んでいたレネー・ゼルウィガー。名声やお金に対しては、地に足のついた素朴な考え方をしている。
「(俳優として)家賃が払えるようになったら、次は動物病院に行けて、そしてスーパーに行けるようになる。それ以外は、だいたい(無名時代と)一緒。ぜいたく三昧な暮らしには興味はないの」
「私は昔から“当然の権利”として物事をとらえる人間じゃなかった。物でつられるような子でもなかったわ。だから16歳のときに車をもらえるだろうとも思っていなかった(※)。(中略)最新の華やかなものをもつことで自尊心が満たされたことはないの」
※アメリカでは16歳のときに親から車をプレゼントされる文化がある。
恋愛について
かつて俳優のジム・キャリーと婚約したものの解消。のちに無効となったものの、シンガーのケニー・チェスニーと結婚歴があるレネー。ほかにも、俳優のブラッドリー・クーパー、ミュージシャンのジャック・ホワイト、ドイル・ブラムホール2世といった男性とロマンスしてきたレネーが思う男性の魅力は、「知性」。とは言え、理想の相手を待ち焦がれるよりは、人生を楽しんでいるなかで魅力的な男性と出会えば恋愛を楽しむ、というタイプ。
「賢さ、想像力、情熱に惹かれる。ロマンチストではないわ。情報や、明るさや、笑いや、世界のあらゆることに貪欲な人から学びたいの」
「私は愛を信じているけど、座ってそれを待っているわけじゃない。自分で家だって買うし、旅だってするわ。トランシルバニアの山頂で仕事だってする…幸福はいろいろな形でもたらされるもので、恋人と出会う心配ばかりしていたら、そういったことを逃してしまうって知っているから」
「私に何かを学ばせてくれて、私を怒らせ、私の好奇心をそそる男性と会話をするのが好き。そういう男性には魅力を感じるわ」
俳優活動の休止について
映画『ブリジット・ジョーンズの日記』が250億円を超える世界興収を記録したり、映画『コールド マウンテン』でアカデミー賞やゴールデン・グローブ賞で助演女優賞を受賞したりと、観客・批評家の両方から高く評価されてきたレネー。しかしそんななか、2010年に俳優業からの休業を突然発表。2016年に映画『ブリジット・ジョーンズの日記 ダメな私の最後のモテ期』でスクリーンに復帰するまで、約6年もハリウッドの表舞台から姿を消した。
「次の2年の予定が先にわかっているような、つねに予定がある生活から一度離れなくてはいけなかったの。予想外のできごとが起こるような生活がしたかった。(中略)…彼女(※サルマ・ハエック)がこの美しい比喩、というか例えを教えてくれたの。『バラは一年中咲かない。プラスチック製のものでない限りは』。私はこれが理解できたわ。どういう意味かわかる?それは、次やることに移るまで、自分は大丈夫なんだって嘘をつくということ。今すぐやめなきゃいけないのに、クリエイティブな過程が楽しすぎて、人生に一回のチャンスすぎて、やらないと後悔することすぎて(やめられない)。でも本当はダメ、一度気を取り直して…休まなきゃ」
優しさについて
他人の魅力について、「知性」と答えることが多いレネー。それともう一つ同じくらいよく口にしているのが、「やさしさ」。
「私たちは時々、“やさしさ”の重要性を過小評価していると思う。ちょっとしたやさしさの持つ力を理解しているのに。それは本当に重要なものの始まりになる可能性があるのにね。自分が受けたとも気づいていないことを他人にもすることで、じわじわと浸透する効果があると思うの」
「自分のパートナーに求めることは、百科事典や辞書のような要素。ボーイスカウトのハンドブックみたいな。誠実に道案内をしてくれる人。愛。無条件のやさしさ。基本的に、私は自分が尊敬している友達の要素を(パートナーに)求めているの」
1992年に低予算テレビ映画『A Taste for Killing』に出演したレネーは、2022年でデビュー30周年を迎える。
(フロントロウ編集部)