2020年のアカデミー賞で、英語以外の言語の映画として史上初めて作品賞を受賞した韓国映画『パラサイト 半地下の家族』のポン・ジュノ監督が、ヒットを連発しているマーベル映画のメガホンを“撮りたくない”理由を明かした。(フロントロウ編集部)

『パラサイト』監督の素直な感想

 アカデミー賞史上初となる外国語映画が作品賞を受賞するという、歴史に名を刻んだ韓国映画『パラサイト 半地下の家族』。同作は、監督賞、脚本賞、国際長編映画賞の獲得し、本アワード最多となる4冠を達成した。

画像1: 『パラサイト』監督の素直な感想

 そんな作品でメガホンを取ったポン・ジュノ監督が、大ヒットを連発する大作映画、とくにマーベル映画を監督することについて自身の意見を米Varietyのポッドキャストで語った。

 ジュノ監督はまず、「マーベルが僕のような監督を雇いたいと思わないと思います」と発言し、マーベル映画のような、莫大な製作費を投じ、CGなどを駆使する大作映画には“向いていない”と話した。

画像2: 『パラサイト』監督の素直な感想

 「近い将来にそんなオファーが来るとも思っていませんが、ジェームズ・ガン監督の作品やジェームズ・マンゴールドの『ローガン』は面白いですね。僕はマーベルのような素晴らしいプロジェクトを指揮できる素晴らしい監督がいると思います。映画業界は複雑に見えますが、監督にとっては単純です。自分の得意なことをすればいいのです。ただ単にマーベルと僕は、お互いに適していないと思う。直感的にそう感じるのです」
 「僕にとって『パラサイト』くらいの、顕微鏡の下で映画作りするような、細かいところにこだわってアプローチできるくらいの規模がちょうどいい」「そしてそれが僕の一番優れていることだと感じるから、その分野を深掘りしていきたい。謙遜とか平等とかいう話じゃなくて、僕の得意なところはそこなんだ」

 自分の得意分野ではないという理由から、マーベル映画を監督することに興味を示さなかったジュノ監督。アカデミー賞を受賞したことで映画『パラサイト』がドラマ化され、マーベル俳優のマーク・ラファロが出演するという話が浮上し、知名度が高まると同時に今まで以上にマーベルとのつながりが出てきているが、ジュノ監督が心変わりする日は訪れるのだろうか。(フロントロウ編集部)

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