オーストラリアの森林火災で親を亡くした1匹のコアラが、ぬいぐるみに抱きつく様子が目撃された。(フロントロウ編集部)

火事を生き延びた1匹のコアラ

 オーストラリア国内で、およそ12万平方キロ(韓国の国土以上)もの土地を燃やした森林火災では、10億以上の動物が犠牲になったと見られている。

画像: オーストラリアの首都キャンベラの森林火災の様子。(2020年2月1日撮影)

オーストラリアの首都キャンベラの森林火災の様子。(2020年2月1日撮影)

 そんなオーストラリアで、野生動物の獣医をする医師が、親を亡くした1匹のコアラのためにクマのぬいぐるみをプレゼント。すると…?

 人の腕の中で赤ちゃんのように仰向けに寝ていたコアラだったけれど、自分と同じようなモフモフの毛を持つぬいぐるみを確認すると、即座に身体を起こしてぎゅっとハグ。火災を生き抜いたコアラが、まるで仲間を見つけたかのように、ぬいぐるみを抱きしめる様子に、多くの人が心を締めつけられた。

 この動画を撮った医師は、木の上で生活するコアラにとって、なにかしがみつくものを持つことが回復に重要だと語ったうえで、最終的にはこのコアラを野生に戻したいと明かした。

火災でも豪雨でも被害が出ているオーストラリア

 オーストラリアでは、南半球の夏が始まる2019年9月以降に各地の森林火災が深刻化。多くの野生動物が犠牲となり、これまでに33名が死亡している。

 火災自体は毎年発生するものだけれど、今夏のその深刻さに関して、気候科学者であるピーター・グリック氏は地球温暖化の影響を指摘している。

画像: 森林火災による煙も深刻。オーストラリアの首都キャンベラで。(2020年2月1日に撮影)

森林火災による煙も深刻。オーストラリアの首都キャンベラで。(2020年2月1日に撮影)

 また、2020年1月中旬や2月中旬には、オーストラリアで記録的豪雨が発生。一部の大きな火災が消し止められることとなった一方で、火災によって乾燥しきった大地が水を吸い込めず、洪水や道路の陥没などが多く発生する事態となった。

 ニュージーランド出身でオーストラリアに住む俳優であるラッセル・クロウは、「オーストラリアで起こっている悲劇は、間違いなく気候変動がベースにあります。科学に基づいた行動をし、労働力を再生可能エネルギーに寄せよう」と呼びかけている。

画像: 道が水に沈んだオーストラリアのタウンズビル。(2020年2月4日に撮影)

道が水に沈んだオーストラリアのタウンズビル。(2020年2月4日に撮影)

 オーストラリア火災に対する募金支援の方法は、このページで、日本語解説つきで説明している。(フロントロウ編集部)

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