公開中の映画『ミッドサマー』でもテーマになっている「カルト集団」。そんなカルト集団をテーマにした映画や、実態を描き出したドキュメンタリーなど、6作品をご紹介。ショッキングすぎて、閲覧注意!(フロントロウ編集部)

『サクラメント 死の楽園』

 「9.11アメリカ同時多発テロ」以前に起きたアメリカ史上最悪の事件をテーマにした映画。1978年に「人民寺院」というカルト教団を率いたジム・ジョーンズが引き起こした集団自殺事件で亡くなったのは、なんと918人。恐ろしいという一言では言い表せない狂気を映画化した本作『サクラメント 死の楽園』は、米VICEに勤める記者が教団に潜入取材するという設定で事件の様子が描かれていて、臨場感たっぷり。信者が送る、想像を絶するような生活を垣間見ることができる。

『ザ・マスター』

 アメリカの有名な団体「サイエントロジー」をテーマにした作品だと言われている、ホアキン・フェニックス主演映画。サイエントロジーは、SF作家L・ロン・ハバードが創始した新興宗教で、トム・クルーズやジョン・トラボルタなどセレブにも支持者が多い一方、信者の扱いに対する疑惑がつきない面も持つ。全体的に気味の悪さが漂っている映画では、フィリップ・シーモア・ホフマンが演じる、カリスマ性のある男に大勢の人間が惹かれ、ホアキンも惹かれていく演技が必見。見ているものをゾッとさせるほどうまい。

『チャーリー・セズ マンソンの女たち』

 2020年の映画祭を賑わせたクエンティン・タランティーノ監督の映画『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド(以下『ワンハリ』)』に登場したカルト集団「マンソン・ファミリー」を題材にした本作。

 妊娠8ヵ月の身重だった女優シャロン・テートを惨殺した実行犯である女性たちと刑務所で交流した作家カーリーン・フェイスの著書と、実行犯や被害者の家族の証言と共に教団の実態を明かしたエド・サンダースの著書の要素を取り入れながら、マンソン・ファミリーの凶行を映画化。マンソンによる洗脳、そして女性たちはなぜ洗脳され、それにハマっていってしまったのかに迫る恐ろしい一作。

『聖なる地獄』

 Netflixドキュメンタリーである本作の撮影者は、なんと教団のメンバー本人。1980年代を象徴するカルト教団「ブッダフィールド」という、ハワイの海を蛍光色のタイトな水着で飛び跳ねる団体に20年間以上所属していた男性が、「ある一通のメール」によって崩壊した教団の実態を暴いた作品。異常な洗脳スキルで信者の人生を台無しにした教祖の言葉には、なぜか惹きつけられてしまう!?

『ワイルド・ワイルド・カントリー』

 同じくNetflixで見ることができる、新感覚ドキュメンタリー。1980年代前半、オレゴン州の田舎町に、インドからカルト教団が移住し理想郷を建設した。本作はそのカルト教団と地元民たちが対立した事件を振り返ったストーリーになっている。新天地を求めて田舎町へとやってきたそのカルト宗教。けれども、もともといた住民は慣れない彼らを毛嫌いする。いつの間にか、銃を持ち出した地元民vs教団となる。そして事態は思わぬ方向へ…。「アメリカの陰謀」や「FBI」などといった壮大なワードも飛び出す嘘みたいな本当の話をぜひ。

『マーサ、あるいはマーシー・メイ』

 カルト教団のコミューンから脱出した20歳の女性を主人公にした映画である本作は、洗脳後に起こるトラウマに焦点を当てたストーリーとなっている。製作者は、マンソン・ファミリーはもちろん、信者が集団自殺したコミューンのジョーンズタウン、アメリカ統一教会などの事例から着想を得たという。主人公の女性はコミューンを抜け出した後、徐々にマーシー・メイという名前で呼ばれていたコミューンでの異様な日々の記憶のフラッシュバックを経験する。やがて、妄想と現実、過去と現在、さらには自分がマーサとマーシー・メイのどちらなのかが判別できなくなる。

 「現実は小説より奇なり」という言葉があるけれど、今回ご紹介したカルト集団にまつわる作品を見ると、その意味がはっきりとわかるかも。(フロントロウ編集部)

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