ついにミッキーマウスの乗り物が誕生
米時間2020年3月4日、フロリダ州オーランドのウォルト・ディズニー・ワールド・リゾートにあるディズニー・ハリウッド・スタジオに、新アトラクション「ミッキー&ミニーのランナウェイ・レールウェイ(Mickey & Minnie’s Runaway Railway)」がオープンした。
ディズニーランドの65年(※)の歴史のなかで、ミッキーマウスが主人公の乗り物ができるのはじつはこれが初めて。ゲストは、ミッキーとミニーが主役の映画『パーフェクト・ピクニック』のプレミア上映に招待されるも、ひょんなことからスクリーンの中に入り込んでしまうという設定で、グーフィーが運転する機関車に乗ってミッキーとミニーのピクニックに同行することになるのだが、様々なハプニングに遭遇することに…。
※1955年にカリフォルニア州アナハイムに世界初のディズニーランドがオープン。
3Dやさらには4Dが主流のなか、ミッキー&ミニーのランナウェイ・レールウェイは「2Dアニメの世界に入る」をコンセプトに、ディズニーがオープン当初から導入してるオーディオアニマトロニクスや最先端のテクノロジーを駆使して、その世界観を表現している。
今までミッキーマウスの乗り物がなかったワケ
ミッキーマウスといえば、ディズニーランドの創設者であるウォルト・ディズニーが作ったキャラクターで、ディズニーランドを象徴する存在。にもかかわらず、彼が主役の乗り物ができるまでになぜ65年もかかってしまったのだろうか?
ミッキー&ミニーのランナウェイ・レールウェイの開発者の1人であるケヴィン・ラファティ氏は、その理由を公式インタビューのなかでこう説明している。
「ミッキーとミニーは特定の場所から来たわけでもなければ、特定の仕事(役目)もありません。たとえば『アナと雪の女王』のアナとエルサはアレンデールに暮らしています。そして彼女たちにはプリンセスという役目があります。それと一緒で『カーズ』のラジエーター・スプリングスに行くと、メーターはレッカー車、ライトニング・マックイーンはレーサーという役目がありますが、ミッキーとミニーは様々な世界にいて、様々な役目を担っています。だからこそ逆にアトラクションの要となるストーリーや世界観を表現するのが難しいのです」
たしかに思い返してみれば、ミッキーはショートフィルムのなかでいつも違う世界にいて、毎回のように新しい仕事に就いている。作品によってころころと仕事が変わるため、アトラクションを作る時に重要になってくるバックグラウンドストーリーに欠けているのだ。これほどアイコニックなキャラクターなのに、“特定の設定や仕事がないから”というなかなかシビアな理由で、主役の乗り物が誕生するまでに65年もの時間がかかってしまったミッキーだった。