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2020年の日本アカデミー賞で3冠を達成した、松坂桃李と韓国俳優のシム・ウンギョンが主演を努めた社会派映画『新聞記者』。世界には、世の中の真実を暴き、民衆に伝えようと命をかける新聞記者を描き出した映画が数多く存在する。自分の魂を削ってまでも、「いま起こっていること」を伝えようとする記者たちの必死な生き様を追ったドキュメントのあらすじと魅力を6本厳選してご紹介!(フロントロウ編集部)

『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』(2017)

 1971年、ベトナム戦争を分析・記録したアメリカ国防総省の最高機密文書、通称「ペンタゴン・ペーパーズ」の内容を暴露したワシントン・ポストのジャーナリストの実話を映画化した作品。スティーヴン・スピルバーグ監督、メリル・ストリープ、トム・ハンクス出演という豪華キャストで制作された本作は、「女性の社会進出」と、「真実を伝えようとする報道の現場のあり方」へのエールが隠されている。男性主導の世界に身を置き、秘かに疑問と怒りを溜め込んできたメリル演じるワシントン・ポスト社の代表の軽妙な仕返しの痛烈さと、大きな印刷工場で大スクープが印刷されていくシーンは鳥肌モノ。

『スポットライト 世紀のスクープ』(2015)

 2003年にピューリッツァー賞を公益報道部門で受賞した米ボストン・グローブのカトリック司祭による性的虐待事件に関する報道を描いた本作。マーク・ラファロ、マイケル・キートン、レイチェル・マクアダムスなど豪華キャストで描かれた本作は、「宗教」というベールに隠された真実を浮き彫りにする。劇中で行なわれる「記事を書いた時の責任はどうなります?」「記事が書かれなかった時の責任はどうなります?」という会話は、深く良心に訴えかけてくる。カトリック司祭たちが子供を性的虐待していた驚きの「正当化」という名の言い訳にも驚き。

『記者たち 衝撃と畏怖の真実』(2018)

 2002年にジョージ・W・ブッシュ大統領がイラクのサダム・フセイン政権を倒壊させようと「大量破壊兵器の保持」を理由にイラク侵攻に踏み切った事件を背景にした作品。当時、多くのメディアがイラクへの軍事介入を肯定する中、米ナイト・リッダーの記者たちは懐疑的な姿勢を取り続けていた。「ニューヨーク・タイムズ」や「ワシントン・ポスト」などの主力新聞社ではなくとも、真実を報道することができるという可能性を感じる一作。「政府が何か言ったら、必ずこう問え。『それは真実か?』」というセリフに、身が引きしまる。

『ヴェロニカ・ゲリン』(2003)

 ケイト・ブランシェットが、アイルランドのダブリンで麻薬犯罪を追い続け、1996年に犯罪組織に銃撃され37歳で命を落とした実在の女性ジャーナリスト、ヴェロニカ・ゲリンを演じた本作。サンデー・インディペンデント紙の女性ジャーナリストだったヴェロニカ。現在ダブリン城には「勇気の象徴」として彼女の記念像が飾られている。彼女は、「ギャングに屈さず真実を追った」だけでなく、女性として、既婚者として、母として普通に日常を生きる人間でもあった。そんな彼女が、社会の中で女性として生まれた非力さに直面し、苦悩しながらも「真実を暴く」ことを止めようとしなかったことは、まさに「勇気の象徴」。

『大統領の陰謀』(1976)

 『大統領の陰謀』は、絶対に抑えておくべき「新聞記者が登場する映画」の古典。ロバート・レッドフォードやダスティン・ホフマンなど往年の名優たちの若かりし姿を見ることができる本作は、アメリカの政界スキャンダル「ウォーターゲート事件」に迫るワシントン・ポスト紙の社会部記者たちの活躍を描いた実話の映画。根気良く調査を続ける記者の姿と少しずつ事件の概要が判明して行く様は、まるで政治を題材とした“探偵映画”のよう。ネットのない時代は、聞き込みをしたり、紙の資料を根気よく探したりと、忙しさが伝わってくる。実は前述の作品『ペンタゴン・ペーパーズ』のラストシーンと、『大統領の陰謀』の最初のシーンは同じ場面を描いているので、まるで続編をみているような気分になれる。

『プライベート・ウォー』(2018)

 2012年にシリアで取材中に死亡した、イギリスのサンデー・タイムズ紙の戦争特派員として活躍したアメリカ人ジャーナリスト、メリー・コルビンの伝記映画。女性戦場記者に焦点を当て描かれた戦争の真実は、目を疑うような映像ばかり。戦争は、何もプラスを生み出さないと感じさせられる悲しい作品。主演は『ゴーン・ガール』のロザムンド・パイク。本作を撮影していたとき、ロザムンドは実際にかなり追い詰められた気持ちになったそう。悲惨なシーンが多く、爆撃の音も激しいので、苦手な方はご注意を。

番外編:『ラッカは静かに虐殺されている』(2017)

 「戦後史上最悪の人道危機」と言われるシリアの内戦が舞台のドキュメンタリー映画。かつて天国と呼ばれ、美しく穏やかだったラッカという街は、イスラム国(IS)の侵攻によって瓦礫の山にされ、毎日のように公開処刑が行なわれるにもかかわらず、海外メディアはそれを報じることができなかった。そんな状況に立ち上がった匿名の市民たちが、スマホを武器に「街の真実」を次々とSNSに投稿。そのショッキングな映像に世界が騒然となるも、脅威を感じたISはすぐに投稿者の暗殺計画に乗り出す…。ペンをスマホに持ち替え真実を暴く姿は、命がけそのもの。本作には、死体や処刑のシーンが含まれるため、あらかじめ注意して。

 新聞記者が出てくる作品の鑑賞をきっかけに、メディアや、記者のありかたについて考えてみては。(フロントロウ編集部)

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