新型コロナウイルス感染拡大を受け、休園措置が開始した米ウォルト・ディズニー・リゾート。休園前日に「駆け込み客」がパークに殺到する様子に創業者のウォルト・ディズニーの親族が難色を示した。(フロントロウ編集部)

休園前日の「特別対応」

 新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、現在、ディズニーが運営する世界各国にあるすべてのリゾート(※)が臨時休園の措置を取っている。

※1月末から閉鎖されていた上海ディズニーランドに関しては、中国国内での感染者数が減少していることをうけて、アトラクションを除く一部施設の営業が再会している。

 北米でも政府や地方自治体が自主隔離や外出自粛を勧告するなか、臨時休園を翌日に控えた3月15日、フロリダ州オーランドのウォルト・ディズニー・ワールド・リゾートには“駆け込み客”が殺到した。

 マジック・キングダムでは、しばらくの休園に入る前の特別対応として、閉園前、ゲートのバルコニーにミッキーマウスやミニーマウス、シンデレラといったキャラクターが立ち、手を振ってゲストたちをお見送り。

 ディズニー運営のテーマパークに関する情報を発信している非公式メディアWDW News Todayのツイッターが、この模様を“休園前のお別れパーティー”と称して紹介したところ、「この有事に何をやっているのか?」、「無責任すぎる」、「もっと早くに休園するべきだった」といったリゾートの対応を疑問視する声が相次いだ。

 そのなかには、ディズニーの創設者であるウォルト・ディズニー氏の兄で米ディズニー社の共同創業者でもあるロイ・O・ディズニー氏の孫であるアビゲイル・ディズニーも。

画像: アビゲイル・ディズニー。活動家である彼女は、これまでにもディズニー・リゾ―トの現経営陣の運営体制やキャストと呼ばれるパーク従業員たちの労働条件の改善について意見を述べたことがある。

アビゲイル・ディズニー。活動家である彼女は、これまでにもディズニー・リゾ―トの現経営陣の運営体制やキャストと呼ばれるパーク従業員たちの労働条件の改善について意見を述べたことがある。

 WDW NEWS Todayのツイートを引用したアビゲイルは、「ホント、冗談でしょ?」と皮肉たっぷりにコメントし、新型コロナウイルスへの感染や感染拡大の危険も顧みず、パークに詰めかけた駆け込み客や、もっと早急に休園措置をとらなかった運営側の判断を呆れた様子で批判した。

 2018年には年間来場者数が2千万人を超え、世界で最も来場者が多いテーマパークとして知られるフロリダのウォルト・ディズニー・リゾートには、アメリカ全土だけでなく、世界中から観光客が集まる。現時点までに、来園者の新型コロナウイルス感染が確認されたとの情報は無いが、もしも集団感染が起こったら、ウイルスの大規模拡散に拍車をかけてしまうことは言うまでもない。

 ウォルト・ディズニー・リゾートは、4つのパークすべての臨時休園にくわえ、リゾート内のすべてのホテルを3月20日以降閉鎖することを発表。さらに、ディズニー・スプリングス、ダウンタウン・ディズニー・ディストリクト、ディズニー・ストアといった商業施設も3月17日から閉鎖することをアナウンスしている。(フロントロウ編集部)

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