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外出自粛・自己隔離が広がる欧米で、外出する予定も無いのに「ヒョウ柄」や「トラ模様」といったド派手なアニマル柄を身に着けて自宅で過ごす人が急増。その理由とは?(フロントロウ編集部)

出かけないのに「アニマル柄」

 新型コロナウイルス感染拡大を食い止めようと、欧米では1カ月ほど前から徹底的に実施されている外出自粛&自己隔離。家族や恋人、友人と身を寄せ合って隔離生活を送る人もいれば、1人暮らしを自由に謳歌する人もいる。

 そんななか、ギラギラ感の強い、手早く言ってしまえば、ちょっと悪趣味な「ヒョウ柄」や「トラ柄」といったアニマル柄を身に着けて隔離生活を盛り上げる人が急増。

 彼らを駆り立てているのは、現在世界中で大フィーバーしているNetflixのドキュメンタリーシリーズ『タイガーキング:ブリーダーは虎より強者?!』(原題:Tiger King: Murder, Mayhem and Madness)だ。


『タイガーキング:ブリーダーは虎より強者?!』が大ヒット

 Netflixが3月20日に配信を開始した全7エピソードのリミテッドシリーズである『タイガーキング:ブリーダーは虎より強者?!』(以下『タイガー・キング』)は、アメリカ国内でトラやヒョウ、ライオンといった大型のネコ科の貴重動物たちを飼育・管理・取引・保護する、ひとクセもふたクセもある人々の衝突や苦悩、そして闇取引や殺人事件といった犯罪や疑惑に迫る作品。

 海外のエンタメ評価サイト、ロッテン・トマト(Rotten Tomatoes)では批評家評91%、一般視聴者評88%と高スコアを叩き出し、アメリカやカナダのNetflixでは半月以上連続で視聴者数1位に君臨している。

 米Varietyによると、消費者視聴行動分析会社ニールセンの概算では、配信開始後10日間のアメリカ国内での視聴者数は3430万人。これは、Netflixの大ヒットドラマ『ストレンジャー・シングス 未知の世界』のシーズン2の初動10日間での3120万人という視聴者数を凌ぐ数字。さらにシーズン3の3630万人という数字に迫る数字ともなっている。


「ジョー・エキゾチック」がヤバすぎる!

 億万長者の夫を殺した疑惑のある女性活動家や一夫多妻制を採用し、8人の妻を持つもはやカルト教団の教祖のような野生動物園長など、これでもかというほど、こってり濃厚なキャラが集結する同シリーズ。

 そのなかでも、主人公としてスポットライトを浴びるのが、殺人を依頼した罪で2018年に22年の実刑判決を受け、現在は連邦刑務所に収監されている、私設動物園の園長でありブリーダーとしての裏の顔も持つ「ジョー・エキゾチック」。

画像: 2018年に撮影されたジョーの逮捕写真。©Splash

2018年に撮影されたジョーの逮捕写真。©Splash

 大量のトラやヒョウ、ライオン、ライオンとトラをかけ合わせた“ライガー”などを飼いながら、カントリーシンガーとしても活動するジョーは、2016年には地元オクラホマ州から無所属で米大統領選挙に立候補、さらに、2018年には州知事選にも出馬。

  襟足を伸ばした80年代風の金髪マレットへアに、顔面ピアス、全身タトゥーといった個性的な風貌もさることながら、巧みな話術や気さくな性格で人々を惹きつける彼は、悪人だと知りつつも、どこか憎めないキャラクターだと評判になっている。

 通称「タイガー・キング」と呼ばれたジョーは、つねに銃を持ち歩き、ときには荒々しい一面を見せる一方で、同性愛を公言し、ストレートの若い男性たちを手なづけ、一度に2人の男性と結婚するというカリスマ性や魔性の魅力も持ち合わせていた。

 そして、ファッションに関しても独自の美学を貫き通すジョーが、頻繁に身に着けていたのが「アニマル柄」のアイテム。

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 Netflixの『タイガーキング』の公開により、ジョーという悪徳ながら強烈な個性を放つ人物の存在を始めて知った人々が、ジョーへの愛を表現する手段として、彼が愛してやまない「アニマル柄」を身に着けて、気分を高めながらシリーズを鑑賞しているというわけ。


セレブたちも「ジョー・エキゾチック」コスプレに挑戦

 ジョーの魅力や『タイガー・キング』の世界観にすっかりハマってしてしまうセレブも多い。

 リアリティスターのキム・カーダシアンは、「誰か『タイガーキング』を観てる? マジでクレイジーよね」とツイート。シンガーのサム・スミスも「Netflixの『タイガー・キング』がヤバすぎる…」と同作を観た衝撃を口にしているほか、映画『ロッキー』シリーズで知られる俳優のシルヴェスター・スタローンは家族と一緒に『タイガー・キング』コスプレを披露。

画像: 左:キム・カーダシアン、右:サム・スミス

左:キム・カーダシアン、右:サム・スミス

 ディズニーアニメ『アナと雪の女王2』の英語版で前作に引き続きアナの声を担当したことでも知られる俳優のクリスティン・ベルと夫で同じく俳優のダックス・シェパードは夫婦そろって『タイガー・キング』のトリコに。

 ダックスが、もし実写化されることがあれば、ぜひ自分にジョー役をやらせてほしいと、ツイッターを通じて懇願すると、これに映画『ムーンライズ・キングダム』のエドワード・ノートンが反応し、「どいてな!君じゃ(ジョー役)には若くてムキムキすぎる」と自分のほうが適役だとコメントした。

画像: 左:ダックス・シェパード&クリスティンベル夫妻、右:エドワード・ノートン。ダックスはNetflixの『タイガー・キング』に登場するジョーの元夫のジョン・フィンレイがジョー役を演じるならダックスが適役と発言したことを受けて、意欲を示した。

左:ダックス・シェパード&クリスティンベル夫妻、右:エドワード・ノートン。ダックスはNetflixの『タイガー・キング』に登場するジョーの元夫のジョン・フィンレイがジョー役を演じるならダックスが適役と発言したことを受けて、意欲を示した。

 さらに、映画『スーサイド・スクワッド』のジャレッド・レトはツイッター上で『タイガー・キング』のオンライン鑑賞会を実施。ジョー風の衣装で撮影した鏡越しのショットを公開し、「#JaredLetoTigerKing(ジャレッド・レト・タイガー・キング)」というハッシュタグを使用して、さりげなく実写化作品への出演を希望していることをアピールしていた。

 ネット上では、もし実写化された場合には、どの役者がどのキャラクターを演じるべきかという議論が白熱しているが、『タイガー・キング』を手がけたエリック・グード監督とレベッカ・チェイキン監督が、米The Hollywood Reporterに語ったところによると、服役中のジョー本人と最近電話で果たした際に、誰に自身の役を演じて欲しいかと尋ねると、映画『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』の俳優ブラッド・ピットか、映画『ドゥ・オーバー:もしも生まれ変わったら』などで知られるコメディ俳優のデヴィッド・スペードにやって欲しいと答えたという。

画像: 左:ブラッド・ピット、右:デヴィッド・スペード。

左:ブラッド・ピット、右:デヴィッド・スペード。


実写化計画が進行中

 ジョーや大型ネコ科動物愛好家たちをめぐる事件や疑惑を題材にした実写化作品は、すでに米UCPがリミテッドシリーズの制作に乗り出している。

 同作には、2016年に公開された女性キャスト版の映画『ゴーストバスターズ』や映画『スキャンダル』で知られるコメディエンヌのケイト・マッキノンが、ジョーの“宿敵”であり、元夫を殺害したというウワサが囁かれ続けるキャロル・バスキン役で出演することが決定したと米Deadlineが伝えている。

画像: ケイト・マッキノン

ケイト・マッキノン

 さらに、英The Sunは、20世紀スタジオが実写映画の制作を計画しており、ジョー役に映画『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズや『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズのオーランド・ブルームの名が浮上していると報じている。

画像: オーランド・ブルーム

オーランド・ブルーム


 あまりの人気ぶりに、配信開始から約3週間後に8話目となるスペシャルエピソードが追加されることが急遽発表された『タイガー・キング』。

 自宅待機中で暇を持て余している人は、欧米のファンたちのように自宅にある「アニマル柄」のアイテムを着用して『タイガー・キング』の世界観に浸かりながら、一気見してみては? (フロントロウ編集部)

※追加エピソードに関する記載に一部修正を加えました。

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