大手家具チェーンのIKEA(イケア)が新型コロナウイルス感染拡大を受けて臨時休業としたイギリス国内のある店舗の一部の営業を「家具は売らない」という条件つきで再開した。一体何のため?(フロントロウ編集部)

イケア、臨時休業した店舗が一部営業再開

 新型コロナウイルス感染拡大防止のために、3月に一斉に臨時休業した世界各国の店舗と時期を同じくして営業を一時停止したイギリス・ロンドン南部の区クロイドンにあるイケア(IKEA)の店舗が、4月から一部営業を再開した。

 しかし、この決断は、家具や寝具、食器といった本来チェーンの収益の柱となっている商品を販売しないという“条件つき”で下されたものだ。

 同店舗が営業を再開したのは、イケア発祥の地であるスウェーデンの名物や、イケアのフードコートの人気メニューであるミートボールを冷凍したものなどを取り扱う「スウェーディッシュ・フード・マーケット」と呼ばれる食品販売コーナーのみ。

画像: スウェーディッシュ・フード・マーケットで売られている商品の一例。

スウェーディッシュ・フード・マーケットで売られている商品の一例。

 さらに、入店できるのは、医療機関で働く人々や警察官、新型コロナウイルスに感染すると重症化するリスクが高い、お年寄りや持病を持つ人々、彼らの介護者、そしてイケア従業員のみに限られている。


なぜこの店舗だけ?

 イケア・クロイドン店は、イギリス国内で最も新型コロナウイルス感染患者のケアに追われている病院の1つであるクロイドン大学病院にほど近い場所に位置している。

 食品販売コーナーの営業再開は、おもに、同病院で働くスタッフたちが、激務の合間に手早く、優先して、食品を入手できるように講じられたもの。

 医療従事者たちは、平日8時~12時までと、14時~16時の2つの時間帯で入店が可能。そして、住み分けを行なうため、そのほかの入店可能な人々は、12~14時の時間帯で買い物をすることができる。

 来店者はID(身分証明書)の提示が必要となるほか、同じ商品を2点以上購入することはできないという決まりも設けられている。

画像: ※イメージ写真

※イメージ写真

 多少の不便はあるが、それでも、入場制限のため入店までに時間がかかる一般のスーパーマーケットなどの行列に並ぶよりは、時間も労力も無駄にせずに済む。

 イケアの広報は「スウェーディッシュ・フード・マーケットを通じて、必要な食糧を提供することで、地域の医療施設で働くスタッフのみなさんの暮らしをほんの少しでも楽にできればと考えました」とコメントしている。

 イケアは、新型コロナウイルスの世界的感染拡大にともない、約33億円相当の医療用具や寝具等を現物寄付するという方法で医療の現場や地域コミュニティを支援。

 さらに、イギリス国内では、ロンドン北西部の町ウェンブリーにあるイケア店舗の巨大駐車場が政府運営の医療機関である国民保健サービス(NHS)で働く医療従事者たちを対象としたドライブスルー方式の新型コロナウイルス感染判定検査所として開放されている。(フロントロウ編集部)

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