ディズニーワールドの総支配人であるジョシュ・ダマロ氏が、臨時休園で自宅待機中の従業員に宛てて書いた手紙には一体何が書かれていた?(フロントロウ編集部)

総支配人から自宅待機中の従業員へ

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で3月半ばから無期限で臨時休園している、フロリダ州オーランドにある世界最大のディズニーリゾート「ウォルト・ディズニー・ワールド・リゾート(以下ディズニーワールド)」の総支配人であるジョシュ・ダマロ氏が、自宅待機中の従業員たちに長文の手紙を送ったことがわかった。そこには一体何が書かれていたのだろうか?

画像: 臨時休園前にミッキーマウス&ミニーマウスと一緒に、バルコニーからゲストに向かって手を振って挨拶をするダマロ氏。

臨時休園前にミッキーマウス&ミニーマウスと一緒に、バルコニーからゲストに向かって手を振って挨拶をするダマロ氏。

 以下、ダマロ氏が従業員宛てに綴った手紙の全訳。

 みなさん、こんにちは。

 新型コロナウイルスの感染拡大をうけて、ウォルト・ディズニー・ワールド・リゾートを閉鎖するという非常に困難な決定を下してから1ヵ月が経ちました。私はあなたとあなたの愛する人たちの安全と健康だけを願っています。ここに残った全員があなたたちのことを考えています。それと同時に、私たちのコミュニティを助けるためのみなさんの取り組みにとても感謝しています。ご存じのように、この状況を乗り越えて私たちのコミュニティを復活させるには、全員で協力する必要があります。

 ゲストやキャストメンバーを保護するための取り組みや、多くの仲間と協力して人々が最も助けを必要とする時に救いの手を差し伸べ、希望をもたらす方法について世界に伝えるのは今しかないと思い、こうしてこの手紙を書いています。

 私たちの地域だけでなく世界中の多くのビジネスが、新型コロナウイルスの影響でこれまでのやり方を見直すこととなり、我々はキャストメンバーの利益を最優先に考えて意思決定を行いました。4月19日の日曜日から、従業員の大半が一時的な休暇を開始します。これは決して簡単な決定ではありませんでしたが、キャストメンバーにとっての最大の利益を最優先に考えて、休業期間中も彼らが医療給付を引き続き受けられるように手配しました。また、ディズニー・アスパイア(Disney Aspire)と呼ばれる教育プログラムに登録しているキャストメンバーは、これまで通りこの特典を利用でき、授業料なしで高等教育を受けることや重要なスキルを身につけることができます。

 休園期間中も私は謙虚でいると同時に、日々、キャストメンバーの“スピリット”に刺激を受けています。彼らの情熱と献身のおかげで、私たちが家にいるあいだもディズニーの魔法は存在し続けることができるからです。このコミュニティの多くのパートナーとともに、フロリダ州と中央フロリダに暮らす家族の安全と健康を維持するために頑張ってくださっている、州及び地方の指導者の方々にも深く感謝します。困った時にみんなで助け合う精神は本当に感動的です。それから医療従事者やファーストレスポンダー(※)の方々には感謝しても、感謝しきれません。あなた方は最前線で24時間体制で働いており、病気の回復に務める人たちや、まだその脅威に晒されていない人たちが安全に過ごせるよう支援してくださっています。ありがとうございます。
※ファーストレスポンダー(緊急対応要員)とは、医者や看護師、病院関係者、治療薬の開発を行う研究者などの医療従事者、警察官や消防士、救急隊員など緊急時に最前線で対応にあたる人たちのことを指す。

 ここウォルト・ディズニー・ワールドでは、アメリカ国内全体のディズニーチームとともに、大小さまざまな方法で寄付を行う方法を模索してきました。ここオーランドでは、余った未使用の食品をセカンド・ハーベスト・フードバンク(Second Harvest Food Bank)に提供したり、地元のフードバンクに配布したり、マスクやレインポンチョをフロリダ全土の医療従事者に提供したり、ファーストレスポンダーにスイーツを提供したり、イースターのイベント用に用意した花をオセオラ郡の高齢者のもとに届けたりしました。臨時休園期間中も、我々は決して立ち止まることはないとみなさんに約束します。

 近いうちに、ゲストとキャストを歓迎するために再開します。その日が来るまで、みんなにとって特別な場所であるウォルト・ディズニー・ワールド・リゾートを守り続けます。中央フロリダにいる力強い仲間たちとともに、その特別な日がやって来ることを信じて前に進み続けることを楽しみにしています。そして何よりも、みなさんとまたお会いできることを楽しみにしています。
 
 どうかお体を大切になさってください。

 心を込めて、ジョシュより。

 先日、フロントロウでもお伝えしたが、先日、米ディズニーはディズニーワールドで働く従業員43,000人を一時的に解雇することを発表した。ダマロ氏の手紙にも書いてあったが、一時的解雇が適用されるのは4月19日からで、この日から約1年間、ディズニー側が保険料を払い続けることで合意。また、新型コロナウイルス感染症の検査費用についてもディズニーが負担してくれるという。

 また、解雇ではなく、一時的解雇(レイオフ)なので、営業再開後に再雇用してもらえる可能性は高いが、ディズニーワールドやディズニーランドが元の状態に戻るには、1年どころか数年かかるという専門家の意見もある。ダマロ氏が言っていた「近いうちに」というのがいつになるのかはわからないが、「近いうちに、ゲストとキャストを歓迎するために再開します」というダマロ氏の言葉を信じて、その日がやって来るのを待ち続けるしかない。(フロントロウ編集部)

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