※この記事には、『美女と野獣』のネタバレが含まれます。
高い評価を得た『美女と野獣』
知的で落ちついたプリンセスとして人気を誇るベラが主人公の『美女と野獣』。18世紀にフランスで書かれた本作は、2017年にはエマ・ワトソン主演で実写映画化。その16年前の1991年に公開されたアニメーション版は、アニメーション映画史上初のアカデミー賞作品賞ノミネートを果たすなど、高い評価を得た。
そんな『美女と野獣』を制作した、アニメーション界の頂点といっても過言ではないウォルト・ディズニー・ピクチャーズは、もちろんそのクオリティに妥協は許さない。1995年には世界初のフルCG長編アニメーション『トイ・ストーリー』を世に送り出すなど、様々な技術を積極的に取り入れて、アーティストたちのクリエイティビティをまとめ上げてきたディズニーは、『美女と野獣』でもあることを行なっていた。
エンディング直前、あのシーンのこだわり
そのシーンは、野獣にかけられた呪いがとけ、アダム王子に戻るところ。身体が宙に浮き、煙に包まれる野獣…。じつはこの煙にこだわりが。今作はアニメーション映画だけれど、じつはこの煙だけは、実際の煙を使用!
今では簡単なことのように思えるけれど、まだまだテクノロジーが発展途中で、どういったテクニックが効果的なのかも明らかではなかった当時は、今よりもさらに地道な試行錯誤の末に答えを見つけていた。
またこの手法は、1985年全米公開のディズニー映画で、同社が初めて長編アニメーションにCGを取り入れた『コルドロン』で採用されたもの。製作費の半分の興行収入しか得られず、ディズニー作品のなかでは珍しく失敗作と言われることもある本作だけれど、その作品の中からも、何かを次の作品に生かしたディズニーはさすが。
現在は新型コロナウイルスの影響で、多くの新作の公開が延期となっているディズニーだけれど、今年2020年の後期には、ディズニーによる動画ストリーミングサービスのDisney+が日本にも上陸する予定。暗い気分になりがちな今だからこそ、自宅でディズニー作品を楽しむことは、気分をあげて、家族団らんを盛り上げるひとつの手かも。(フロントロウ編集部)