プレミアから20周年『グラディエーター』
『グラディエーター』は2000年に公開されたリドリー・スコット監督による映画。主演はラッセル・クロウ、共演にはホアキン・フェニックスやコニー・ニールセンなど豪華キャストが名を連ねる。第73回アカデミー賞で5冠、第58回ゴールデングローブ賞で2冠、英国アカデミー賞で4冠を獲得し、商業的にだけでなく芸術面でも高評価を獲得した。
米New York Timesによると、当時アメリカ国内では本作のヒット後、古代ローマ時代への関心が高まり「ローマ・ブーム」が引き起こされたほどだという。
2020年5月1日は、『グラディエーター』のプレミア上映からちょうど20年目。全米公開は2000年5月5日からだった。
『グラディエーター』のあらすじ
西暦97年〜180年ごろだと考えられる帝政ローマ時代中期を舞台とし、ラッセル・クロウ演じるローマ軍の将軍マキシマス・デシマス・メレディウスが、皇帝アウレリウスとホアキン・フェニックス演じる皇太子コモドゥスの確執に巻き込まれて家族を失い、自らも奴隷に身分を落とすところから物語が始まる。マキシマスは自分の家族を殺したコモドゥスへの復讐を誓い、ローマ文化の象徴の一つである剣闘士(グラディエーター)として名を上げていくというストーリー。
「グラディエーター」とは、古代ローマで“見せ物”として闘技場で戦った剣士のこと。当時使用されていた「グラディウス」という剣を使っていたことが名前の由来だとも言われている。映画で見られるように、剣士同士だけでなく猛獣とも対戦させられていたそう。ちなみに作中に登場するトラは本物。
ホアキン・フェニックスのアドリブに共演者も恐怖
本作でホアキンが演じている皇太子コモドゥスは、屈折した感情を持つ非常に悪どいキャラクター。2019年の映画『ジョーカー』で評価された彼の演技力が遺憾なく発揮されている。
とはいえ、本編の終盤までは皇太子コモドゥスは比較的穏やかで、なんとかギリギリのところで感情を制御していることが多い。しかし、物語の終盤で突然姉であるコニー・ニールセン演じるルシッラに声を荒げる。映画が始まって2時間15分30秒ごろのこのシーンは、実はアドリブだと言われている。
後ろ暗い感情を持つ皇太子コモドゥスの情緒がついに爆発し「慈悲深いと言え!」と大声で叫んだその瞬間の気迫と感情の起伏は、「さすがホアキン」と言わざるを得ないけれど、いきなりアドリブで怒鳴られたらあまりにも怖すぎる。姉役のコニーは歯を食いしばってグッと堪えているけれど、突然すごい気迫で怒鳴られても演技を続けたコニーもさすが。
そんな映画『グラディエーター』を再視聴する際には、ぜひホアキンのアドリブに注目してみて。(フロントロウ編集部)