2020年5月15日の金曜ロードショーは、『天使にラブ・ソングを…』。今作は治安の悪い地域が舞台だったけれど、その撮影地は、なんと高級住宅地だった! そのため、制作陣はある大がかりな対策を取っていた…。(フロントロウ編集部)

今なお愛されるコメディ・ミュージカルの傑作

 ウーピー・ゴールドバーグが37歳の頃に主演し、世界的な大ヒットを記録した1992年のコメディ・ミュージカル映画『天使にラブ・ソングを…』。日本でもいまだに根強い人気を誇っており、日本テレビ系金曜ロードSHOW!の視聴者リクエスト企画第1弾に選ばれたほど。

画像: ⓒIFA Film/United Archives/Newscom

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 ストーリーの主役は、ウーピー演じるデロリス。クラブの売れないシンガーで、大物マフィアのヴィンスの愛人だったデロリスだけれど、ヴィンスによる殺しの現場を目撃してしまい、彼から命を狙われることに。そこで、マフィアの手の届かない修道院に匿ってもらうことになったデロリスは、その堅苦しい環境にうんざりしていたけれど、聖歌隊の指揮を任されることになり、シンガーとしての才能を発揮。シスターたちや、教会の周囲の住民たちとも絆を育んでいくデロリスだったけれど、ヴィンスの追っ手が彼女のもとに…。

高級住宅街を“荒れさせた”制作陣

 今作の魅力といえば、型破りなデロリスが厳格な修道院でリーダーシップを見せ、伝統的な聖歌にアレンジやパフォーマンスを効かせ、他のシスターと仲良くなるだけでなく、地域一体に溶け込んでいく明るいストーリー。デロリスが身を置くことになった聖キャサリン修道院の周囲の治安は良くないけれど、様々なコミュニケーションで、教会は地域で人気の場所となる。

画像: ⓒUnited Archives/Impress/United Archives/Newscom

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 そんな今作の撮影地はカリフォルニア州のサンフランシスコ。そして、撮影に使用された1911年設立のセント・ポールズ・カトリック教会があるのは、なんとサンフランシスコの中でも高級住宅街であるノー・バレー! 過去には地代が安かった時代もあったノー・バレーだけれど、撮影が行なわれた1990年代にはすでに高級住宅街となっており、周囲の家の価格は1億円を超えるほどとなっていた。

 しかし映画の中では、街中に落書きがあり、廃れたアダルトショップや壊れかけの車など、かなり様子が違う…? なぜなら、デザインチームが街ごと変貌させたから!

 近隣のショップの玄関を汚くし、壊れた車を運び込み、ゴミを道に重ね、エキストラにはタバコやお酒を渡して、あの景観を完成させたという。セットではなく、実際にある街の一部を映画用に変貌させてしまうという大掛かりな対策を打った本作の製作費予算は、全部で約34億円もかかったと言われている。しかしその興行収入は、その数倍の250億円を記録。その後には続編の『天使にラブ・ソングを2』や、今作の舞台ミュージカル化もなされ、28年が経った今でも多くの人に繰り返し見られている『天使にラブ・ソングを…』。デザインチームがその仕事を誇りに思っていることは間違いない。(フロントロウ編集部)

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