Photo:ゲッティイメージズ,スプラッシュ/アフロ,Instagram
人気リアリティ番組『カーダシアン家のお騒がせセレブライフ』は新型コロナウイルス(Covid-19)禍でも撮影を中断せずに続行。安全に撮影を続けるために徹底している方法がさすが。(フロントロウ編集部)

カーダシアン家のリアリティ番組、コロナ禍でも撮影続行

 新型コロナウイルスの世界的蔓延を受け、多くの映画やドラマ、リアリティ番組の撮影が一時休止となるなか、アメリカ本国では2007年のシーズン1の放送開始以来12年以上にわたって放送され、日本でもdTVで現在シーズン17が配信中の人気リアリティ番組『カーダシアン家のお騒がせセレブライフ』は、パンデミック禍でも、あの手この手を使って、休むことなく撮影を続行している。

 同番組のプロデューサーを務めるファルナズ・ファルジャムは、米ELLEとのインタビューで、コロナ禍でもキャストやスタッフの安全を厳守しながら撮影を行なうために実施しているという方法を告白。その内容が、想像を絶する徹底ぶりだった。


抜かりない予防策を講じて撮影

 知名度としては一家の中で最も有名で、ラッパーのカニエ・ウェストを夫に持つ次女のキム・カーダシアンにくわえ、一家の母親でありマネージメントを一手に引き受けるクリス・ジェンナー、子供の父親の浮気騒動が物議を醸した三女のクロエ・カーダシアン、シーズン18の最中に突然、番組出演の休止を宣言した長女のコートニー・カーダシアン、カーダシアン家の3人姉妹にとっては異父妹にあたるトップモデルのケンダル・ジェンナーと「史上最年少億万長者」の称号を手にする実業家のカイリー・ジェンナーといった、カーダシアン/ジェンナー家のメンバーがほぼ総出演する同番組。

画像: 左から:クロエ・カーダシアン、クロエが2016年に離婚した元夫のラマー・オドム、クリス・ジェンナー、ケンダル・ジェンナー、コートニー・カーダシアン、キムの夫カニエ・ウェスト、キム・カーダシアン、ケンダルとカイリーの父ケイトリン・ジェンナー、カイリー・ジェンナー。

左から:クロエ・カーダシアン、クロエが2016年に離婚した元夫のラマー・オドム、クリス・ジェンナー、ケンダル・ジェンナー、コートニー・カーダシアン、キムの夫カニエ・ウェスト、キム・カーダシアン、ケンダルとカイリーの父ケイトリン・ジェンナー、カイリー・ジェンナー。

 彼女たちが別々に暮らす自宅は、いずれも、3月19日以降、全域に外出禁止令が出され、今も不要不急の外出を避けるよう州民たちに要請されているカリフォルニア州にあるため、もちろん外出先での撮影はできず、毎日のように外部のスタッフを通わせて撮影を行なうという方法にもウイルス感染への危険が伴う。

 そんななかでも断固として撮影を続けるために、プロデューサーのファルナズ率いる制作陣が思いついたのが、出演者たちに番組撮影専用のスマホを届け、自ら撮影を行なってもらうという方法だった。

画像: 『カーダシアン家のお騒がせセレブライフ』のプロデューサー、ファルナズ・ファルジャムとキム・カーダシアン。

『カーダシアン家のお騒がせセレブライフ』のプロデューサー、ファルナズ・ファルジャムとキム・カーダシアン。

 それだけなら、「なるほど」といった感じで、とくに驚きはないが、ここからがすごい。

 ファルナズいわく、万全を期すため、キャストたちのもとには毎週1台ずつ“新品”のiPhoneが届けられるそう。キャストたちは、それを事前に自宅内に設置された三脚に取りつけて撮影を行なう。

 照明機材や三脚の設置には、スタッフがそれぞれの出演者の自宅に入ってセッティングを行なう必要があったが、その際、担当スタッフは、全身を覆う「ハズマット・スーツ」と呼ばれる防護服で完全防備。さらに、もしウイルスが付着していた場合を危惧して、キャストたちは、設置後、最低24時間は撮影器具が備え付けられた部屋に入らないよう指示されたという。

画像: ※ハズマットスーツの一例。

※ハズマットスーツの一例。

 1人あたり、週におよそ16時間分の撮影を行なってもらったら、番組スタッフが玄関先にiPhoneを回収に訪れ、その際に、替えとなる新品のiPhoneをそれぞれの自宅の警備を担当しているセキュリティスタッフに引き渡す。この方法を繰り返しながら、ここ2ヵ月余りの間、撮影を行なってきたそう。

 ファルナズは、カーダシアン/ジェンナー家のメンバーの中には、この方式で自宅で撮影を行なうことにあまり気が進まない様子の人もいることを示唆しているが、今のところ撮影は順調に進んでいるよう。


コロナ禍での異例の撮影を通じて得た「気づき」

 ファルナズは、コロナ禍に実施したこの撮影方法を通して得た新たな気づきについても明かしている。

 普段ならば、プロのカメラマンが密着して撮影を担当しているが、キャストたちに撮影を委ねるという方法では、ときどき、きちんと音声が拾えていないこともあり、ゴニョニョと何を言っているのかまったく分からないこともあるそうで、ファルナズは「カメラマンの仕事ってこんなに大変だったんだ!」と痛感しているという。

画像: アパレル店で『カーダシアン家のお騒がせセレブライフ』を撮影中のキムとコートニー。(2018年10月)

アパレル店で『カーダシアン家のお騒がせセレブライフ』を撮影中のキムとコートニー。(2018年10月)

 しかし、そんなちょっとしたトラブルも、コロナ禍に撮影されたエピソードの“味”になると考えているそうで、「面白いと思う。なかなか貴重でしょ。それも番組のなかに盛り込みたいと思っています」ともポジティブにコメントしている。

 『カーダシアン家のお騒がせセレブライフ』の最新となるシーズン19は、9月からの放送開始を予定しているが、少なくとも同シーズンのうちの2つのエピソードは、すべてキャストたちがiPhoneを使ってセルフ撮影した映像をもとに構成されることになるだろうと、ファルナズは明かしている。

 すでに公開されているシーズン19ティーザー映像を見ても、新型コロナに関するトピックが盛り込まれているのに加え、カーダシアン/ジェンナー家の面々がウェブ会議用アプリのZoom(ズーム)を使ってビデオ通話しているシーンやスマホで撮影されたと見られるシーンが含まれるなど、リアリティ番組ならではの、生々しさが伝わってくる。

 人生におけるアップダウンから、普通なら人様に見せるのを躊躇してしまうような部分までさらけ出しているカーダシアン/ジェンナー家の番組だけあり、どんな状況でもカメラを止めないという執念は、「さすが」のひと言に尽きる。(フロントロウ編集部)

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