Photo:ニュースコム、ゲッティイメージズ、ⒸWARNER BROS PICTURES/LEGENDARY PICT./DC COMICS/SYNCOPY
2008年に公開されたDCコミックスの映画『ダークナイト』に登場する、ヒース・レージャー演じるジョーカーがずっと唇をなめていた理由は?(フロントロウ編集部)

伝説の映画『ダークナイト』

ダークナイト』は、クリストファー・ノーラン監督によって制作され、2008年に公開されたDCコミックス映画。「ダークナイト・トリロジー」と呼ばれる連作の2番目の作品で、2005年には『バットマン ビギンズ』が、2012年には『ダークナイト ライジング』が公開されている。

 映画『ダークナイト』は、その重苦しくリアルな世界観や俳優陣の演技が高く評価され、アカデミー賞で8部門にノミネート。みごと助演男優賞と音響編集賞を受賞した。また、同年のピープルズ・チョイス・アワードや英国アカデミー賞、ゴールデン・グローブ賞など名だたる賞も数多く受賞している。

画像: ©︎WARNER BROS.

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 主演のバットマンを演じたのは、ストイックな役作りをすることで知られるクリスチャン・ベール。そしてバットマンの宿敵であるジョーカーを演じたのは、ヒース・レジャー。演技派の2人が揃い、公開前から大きな注目を集めていたというものの、ヒースは本作の公開を待たずに28歳という若さで死亡した。そのため、助演男優賞の受賞は彼の死後のことだった。

画像: ⒸWARNER BROS PICTURES/LEGENDARY PICT./DC COMICS/SYNCOPY

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 ヒースが見せたジョーカーの演技は現在でも絶賛されており、映画『ジョーカー』でジョーカーを演じたホアキン・フェニックスが数多くの演技賞を受賞した後でさえ、「ヒースは最高のジョーカー」という呼び声が高い。

 そんな彼は、映画『ダークナイト』の劇中で唇をなめていることが多い。ジョーカーの持つ気味の悪さを表現するために誕生したのかと思いきや、実はそれには大きな理由があった。

『ダークナイト』ジョーカーが唇を舐めている理由

 ヒースのジョーカーは、映画を通してずっと唇を舐めまわしている。唇の端から頬に向かって切り裂かれている部分を中心にぺちゃぺちゃとそこを舐める様子は、ジョーカーをより恐ろしい存在に仕立て上げた。けれども実は、彼がそれを始めた理由は、メイクの性質上の問題があったから!

画像: ⒸWARNER BROS PICTURES/LEGENDARY PICT./DC COMICS/SYNCOPY / VAUGHAN, STEPHEN

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 その動作は、唇の傷を表した特殊メイクをくっつけておくための苦肉の策。その真実は、ヒースの家族や共演者などが多数出演したドキュメンタリー『I Am Heath Ledger』で明かされていた。

 映画『ダークナイト』でアクセントのコーチを務めたジェリー・グレンネルは、「(口の傷を表す)特殊メイクは唇のギリギリのところまでつけられていた。半ば口に入っているような形だった。つまり、話すたびに特殊メイクのはしが少しずつ緩んできてしまう。彼(ヒース)としては、またメイク室に戻って20分から1時間かけて唇を貼り付けてもらうのだけは避けたかった。そこで彼は、頻繁に唇を舐めることにしました。そして次第に、それがキャラクターの特徴の一つになったんです」と、「唇舐め」誕生の撮影秘話を明かした。

 ちなみにファンの間では、同じジョーカーを演じたホアキンが映画『ジョーカー』本編の後半で、話の途中で唇を舐めたのはヒースへのオマージュではないかと言われているけれど、真偽の程は明かされていない。

画像: ⒸDC COMICS/DC ENTERTAINMENT

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 ヒースの演じたジョーカーの「唇舐め」の真実がわかったとはいえ、それをあのように不気味な表現に変えたのはさすが。ぜひ、『ダークナイト』を見返してみて。(フロントロウ編集部)

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