画材ブランドのクレヨラ(Crayola)が、「24色の肌色」からなるクレヨンセットを発表した。(フロントロウ編集部)

この世に“肌色”は40色以上存在する

 アメリカの大手画材ブランドであるクレヨラが、新しい肌色のクレヨンを発売することが話題になっている。なぜなら、そのクレヨンは24色パックだから。

 日本や欧米ではこれまで、肌色というとベージュ系の色が使われてきたけれど、世界には40以上の“肌の色”があると言われている。そこでクレヨラは、その40色をカバーするような24色の肌色のクレヨンを開発した。そのセットの名前は、「世界の色」。

画像1: ⓒCrayola

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 クレヨラはこの商品を生み出すにあたって、これまで様々な色のファンデーションを作り出してきたMOB BeautyのCEOであるヴィクター・カサーレとパートナーシップを組み、8ヵ月以上の時間を費やしてクレヨンを開発した。

 どの肌色の子であっても、この多様な肌色の中から色を選ぶことで、世界には色々な人々がいることを自然と意識することができる。

画像2: ⓒCrayola

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 ヴィクターは自身の幼少期を振り返り、「ピンクとダークブラウンのクレヨンを混ぜて、自分の肌色を作ろうとしていたことを覚えています。なので、クレヨラから“世界の色”クレヨンを作るために協力を依頼された時にはとても感激しました」とコメントしている。

「肌色」があるのはクレヨンだけではない

 人種にかかわらず、地黒な人や小麦色に日に焼けた人、赤みがある肌色や、ブルべ・イエベと言われるように、青みがかった肌色や黄色みのある肌色など、肌色を1つに定義することは不可能。だからこそ“肌色”の商品は、長年、その肌色に当てはまらない人々に疎外感を与えてきた。

 クレヨンのほかに代表的な肌色の商品といえば、絆創膏。2019年4月には、アメリカに住む45歳の男性が、初めて自分のダークトーンの肌色に合う絆創膏を使ったことで、その小さなことからも疎外感を感じていたことを自覚したと語るツイートが、多くの反響を呼んだ。

「こういう絆創膏があるのは知っていました。でも、こんな複雑な気持ちが渦巻くのは知らなかった。だってこれ…、すごく馴染んでる。子供のころから1000回以上は、『普通』の絆創膏を使ってきました。今、自分には居場所があるって感じる。自分には価値があるって。子供のころの自分に、そして何百もの有色人種の子供たち、とくに黒人の子供たちのために悲しくなっています」

 彼のこのツイートには多くの共感が寄せられ、クレヨンの肌色でも同様の経験をしたというコメントも。

「子供のころ、自分の肌の色に合う『肌色』のクレヨンを探そうと思った。でもどの色も自分にはマッチしなくて、動揺したことを覚えてる」

 最近では、様々な肌色のクレヨンや絆創膏、そしてファンデーションなどを開発するブランドやメーカーが増えている。今の時代は商品のクオリティだけでなく、ブランドとしてのそういった姿勢も、チェックすべきポイントとなっている。(フロントロウ編集部)

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