Photo:ニュースコム、ゲッティイメージズ、©︎TRISTAR PICTURES
アンセル・エルゴート主演のアクション映画『ベイビー・ドライバー』には、権利の関係で許可が下りず、お蔵入りにせざるを得なかったシーンがある。(フロントロウ編集部)

大人気カーアクション『ベイビー・ドライバー』

 映画『ベイビー・ドライバー』は、2017年に公開されたカーアクション。エドガー・ライト監督によって制作された本作は、爽快でハラハラするドライビング描写と、ザ・ビーチ・ボーイズやT・レックスなど伝説的アーティストのおしゃれな名曲がふんだんに使われていることが話題を呼び、多くのファンを獲得した。

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 本作の主人公は、ベイビーと呼ばれる天才的なドライビングテクニックをもった青年で、映画『きっと、星のせいじゃない。』や『キャリー』に出演したアンセル・エルゴートが演じている。ベイビーは、子供の頃に受けた事故の後遺症により酷い耳鳴りに苦しめられ続けており、それをかき消すために常に音楽をイヤホンで聞いているという設定。本編で流れる曲は、ベイビーがイヤホンで再生した曲がメインになっている。

 そんなベイビーだが、実はある理由から強盗の一味に手を貸すドライバーをしている。そしてある日行なわれた強盗では、実行犯たち3人が建物に入る前に顔を隠すため、コメディ映画『オースティン・パワーズ』の主人公の頭部を模したマスクを被る。しかし実はこのシーン、当初の脚本では別の設定があったという。

画像: 『オースティン・パワーズ』より ©︎NEW LINE CINEMA / GORDON, MELINDA SUE

『オースティン・パワーズ』より ©︎NEW LINE CINEMA / GORDON, MELINDA SUE

惜しくも許可が下りなかったあの「ホラーキャラのマスク」

 『ベイビー・ドライバー』の特殊効果に携わったグレッグ・ニコテロがインスタグラムで明かした、当初の設定はこう。

 強盗の実行犯たちは『ハロウィン』の殺人鬼マイケル・マイヤーズのマスクを被るはずが、1人が“マイヤーズ間違い”をしてしまい、コメディ俳優マイク・マイヤーズのマスクを被ってオロオロしてしまう。

画像: マイク・マイヤーズ(左)、マイケル・マイヤーズ(右) ©︎NEW LINE CINEMA、©︎DIMENSION FILMS

マイク・マイヤーズ(左)、マイケル・マイヤーズ(右) ©︎NEW LINE CINEMA、©︎DIMENSION FILMS

 しかし『ハロウィン』の権利元は、2018年に同シリーズのリメイク作品が控えていることを理由に、マイケルのマスクを使う許可を出さなかったとエドガー監督は自身のツイッターで明かした。ちなみに、映画『ハロウィン』は、他の作品にマイケルのマスクの使用許可を出さないことで有名。そのため、『ベイビー・ドライバー』に許可が下りなかったのも不思議なことではない。

画像: 惜しくも許可が下りなかったあの「ホラーキャラのマスク」

 グレッグは、そのオリジナルシーンが1番のお気に入りだそうで「本当に面白くて、賢いギャグだった」と思い返しているため、そんなシーンがお蔵入りしてしまったのはとても残念。

 ちなみに、『ベイビー・ドライバー』が公開された同年のハロウィンには、『オースティン・パワーズ』のマスクが飛ぶように売れたと米The Hollywood Reporterが報じていた。

 もし『ベイビー・ドライバー』をみるときには、主人公のベイビーだけでなく、そのマスクのシーンにも注目してみて。(フロントロウ編集部)

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