シンガーのカミラ・カベロが米誌にエッセイを寄稿し、自身が抱えている強迫性障害(OCD)との向き合い方について詳細に明かした。(フロントロウ編集部)

強迫性障害(OCD)とは?

 強迫性障害(OCD)とは、自分の意思に反して不合理な考えやイメージ、行動を繰り返してしまう精神障害の一種。症状としては、抑えようとしても抑えられない“強迫観念”と、それによる不安を打ち消すために無意味な行為を繰り返す“強迫行為”の両方が見られる。

 これを読んでいる方のなかにも、「戸締りを忘れた気がして家に戻る」「鍋の火を消したか何度も確認する」「手洗いを必要以上にする」といった経験をしたことがある方がいるかもしれないが、強迫性障害では、強迫観念に基づいたこれらの行動が徐々にエスカレートして、日常生活に支障をきたす状態になる。つまらない考えだとわかっていても、そのことが頭から離れず、不安ばかりが募り、その結果、安心感を得るために強迫行為を繰り返すという悪循環に陥ってしまう。

カミラ・カベロがOCDとの向き合い方について語る

 アメリカでは5月がメンタルヘルス啓発月間ということもあり、先日、シンガーのカミラ・カベロが米WSJ Magazineにエッセイを寄稿し、自身が抱えている強迫性障害との向き合い方について詳細に明かした。

画像1: カミラ・カベロがOCDとの向き合い方について語る

 エッセイのなかで、「これは私がどれだけの不安とOCD(強迫性障害)の症状に悩まされているか、ママに話しながら泣いている写真。どうやったらこの苦しみから解放されるのか知りたくて、ママと一緒にホテルでOCDに関する本を読み漁った。定期的に私を襲う執拗な不安のせいで、辛い日々を過ごしていた」と打ち明けたカミラは、続けてそのことをしばらくのあいだファンや世間に公表することを避けていた理由についてこう語った。

 「私のことを強くて器用で自信がある人間だと思ってる人たちに、本当は弱いということを知られたくなかった。もし私がメンタルヘルスの問題を抱えていて、苦しんでいることを正直に明かしたら、頭がおかしい奴と思われるんじゃないか、弱い奴だと思われるんじゃないか、不器用な奴だと思われるんじゃないか…そんな考えがいつも頭の中をめぐっていた。頭の中で小さな声が私に私のことを“恩知らず”だと言った。こんなに良い人生なのに、感謝が足りないと。そして、ここ数年向き合うことを避けてきた“開いたままの傷口”を隠すことが、最も簡単で最も速い解決策だとも言っていた」

 しかし、その後、上記の考えがどれも間違っていると気づいたカミラは、自分の人生を自分らしく生きるためにも自身が心の問題を抱えていることを認め、セラピーなど、プロの助けを借りて克服することを決心。さらに、そのことを世間に公表することで、さらに自分自身と繋がることができたそうで、「今や不安と私は良い友達。彼女(不安)の話を聞くの。だって、彼女は私を守ろうとしているだけだから。でも、必要以上に気にしないようにしてる。もちろん、彼女に決断をさせることは絶対にない」と、カミラ節全開で不安との向き合い方を綴った。

画像2: カミラ・カベロがOCDとの向き合い方について語る

 ちなみに、カミラはエッセイの最後を、「私たちはみんな達成することが不可能な完ぺきを追求する世の中に生きている。ソーシャルメディアは、つねに完ぺきでいなければならないと私たちに感じさせる。自分の中に葛藤があることを認め、それを癒すための一歩を踏み出すことはとてもパワフルなことで、決して“弱さ”ではない」という言葉で締めくくっている。(フロントロウ編集部)

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