毎年5月31日に制定されている世界禁煙デー。ある調査でわかった、若者たちのタバコ事情とは?(フロントロウ編集部)

2020年、世界禁煙デーのテーマは若者の喫煙

 1988年にWHO(世界保健機関)が毎年5月31日は世界禁煙デーと定め、2020年で32年目。毎年WHOは世界禁煙デーにテーマを発表し、2019年は「タバコ と肺の健康」、2018年は「タバコは心臓やぶり~タバコと心臓病はつながっている~」、2017年は「タバコ:成長への脅威」となっていたけれど、2020年のテーマは「若者をタバコ業界のたくみな操作から保護し、タバコやニコチンの使用から保護する」(日本の厚生労働省が発表したテーマは「受動喫煙のない社会を目指して~たばこの煙から子ども達をまもろう~」)。

 メディアや広告でのタバコの扱われ方は、若者に影響を与えやすい。インフルエンサーや有名人が吸っているからとタバコを吸っていたらかっこいいと思い込む人も多く、また、ドラマや映画に感化される人も。そのため、Netflixでは、2019年後半から、PG13指定の映画や14歳以下の年齢制限があるドラマで、たばこや電子たばこを吸うシーンがある場合は、注意書きを追加するといった対策が取られ、エンタメ業界も変わりつつある。その一方でタバコの売り上げを伸ばそうとしているタバコ業界は、フレーバーつきのタバコや洗練されたタバコのパッケージなどのマーケティング戦術で若者達を操作している。

 そして最近では電子タバコが普及したこともあり、以前と比べ「タバコ」という存在をより身近に感じられるようになったのか、2018年には中高生で電子タバコを使用している人がアメリカで約360万人だったところ、2019年には540万人に増加していたとアメリカ疾病予防管理センターが発表している。

画像: 写真はイメージです。

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 しかし一方でタバコに魅力を感じないという人も多く、オランダのI&Oresearchによると、禁煙ロビーにいた12歳~18歳の約80%の若者がタバコを吸うことをかっこいいと思っておらず、喫煙者の41%がその意見を支持。そして85%の人がタバコを吸っている人と関係を持ちたくないと言っているよう。

 喫煙は、がん、心筋梗塞、脳卒中など多くの疾患との関連が明らかになっており、まさに百害あって一利なし。だからこそ、若者たちがタバコを吸うことは、世界中で問題視され、増税してタバコの値段をあげたり、タバコを吸える場所を少なくしたりと、様々な工夫が凝らし、喫煙者数を下げようとしている。またWHOは禁煙したら起こる体の変化を発表しており、2~12週間禁煙すると肺機能が向上し、1~9ヵ月禁煙すると咳や息切れが減少。そして1年禁煙を続けると冠状動脈性心臓病のリスクは喫煙者の約半分になる。

 喫煙している人は、健康を取り戻すために2020年の世界禁煙デーをきっかけに、タバコから距離を置いてみては?(フロントロウ編集部)

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