映画『キューティ・ブロンド』などで知られる俳優のリース・ウィザースプーンが、白人の警察官によって黒人男性のジョージ・フロイドが殺害された事件に言及。自身の7歳の息子と事件について話し合ったことを明かして、子供たちと人種差別について話をすることの重要性を説いた。(フロントロウ編集部)

人種差別に対する抗議の声が広がるアメリカ

 先週、アメリカのミネソタ州ミネアポリスで白人の警察官に首を押さえつけられた黒人男性のジョージ・フロイドが亡くなるという事件が発生。

 アメリカで黒人が警察官や元警察官の手によって殺害された事件は過去にも数多く発生していて、今年2月にはアマード・アーベリーが非武装でジョギングしていたところを殺害されたほか、3月にはブリアンナ・テイラーが別の容疑者の住所と誤って自宅に侵入した警察官によって殺害されている。こうした事件が立て続けに発生したなかで、フロイド氏が市民の目前で殺害されるというショッキングな出来事がきっかけとなり、現在アメリカ全土で人種差別に抗議する大規模な運動が行なわれている。

画像: 人種差別に対する抗議の声が広がるアメリカ

 多くの人々が「Black Lives Matter(黒人の命も大切)」のスローガンを掲げ、アメリカ合衆国の長い歴史にわたって黒人たちが迫害されてきた歴史に異議を唱えているなかで、“すべての命に価値がある”を意味する「All Lives Matter」というスローガンも登場。しかしながら、ビリー・アイリッシュが「All Lives Matter」を批判する長文の声明を発表するなど、いわゆる「白人の特権(White Privilege)」そのものに異議を唱える声も多くあがっている。

7歳の息子と人種差別について話したリース

 多くのセレブたちが今回の事件について声をあげているなか、俳優のリース・ウィザースプーンもインスタグラムを更新。自身の7歳の息子であるテネシーくんから今回の事件について、「どうして大人たちはこんなに怒っているのか」と訊かれたことを明かして、テネシーくんと一緒に人種差別や偏見、特権などについて話し合ったことを報告した。

画像: 今年4月、一緒に犬の散歩をしているところを撮影されたリースとテネシーくん。

今年4月、一緒に犬の散歩をしているところを撮影されたリースとテネシーくん。

 リースは「不快になるからって、何かを無視することはやめて」という文字が書かれた画像を投稿して、次のように綴った。以下、リースがインスタグラムに投稿した長文コメントの全文訳。

 昨晩、夕飯を食べていた時に、7歳の息子から『どうして大人たちはこんなに怒っているのか』って訊かれたの。私たちはジョージ・フロイドに起きたことについて息子と話した。白人の母親として白人の息子に、さらに、他人をあのように扱う人間がいることが信じられない子に人種差別や偏見について教えるのは辛いことだった。それでも、意味のない、凶悪で、非道な犯罪の犠牲になってしまった人のほうが遥かに辛い思いをしている。日常的に喪失や嫌がらせ、差別を経験している家族の一員になるほうが遥かに辛い思いをしている。この世界で、自分の子供に何か起きるんじゃないかって不安に思う母親のほうが遥かに辛い思いをしている。

 私は子供の頃、教会に通っていた。神の御前においては私たちはみんな同じだっていうことを教えられたの。同じ空気を吸って、同じ血を流しているって。だけど、私が幼い頃に目にしてきたものはそうではなかった。私が教会で教わってきたことと、世の中で実際に見ることの違いに折り合いをつけることは、私ですら難しかった。自分の子供にはそうなってほしくないし、皆さんのお子さんにもそうなってほしくない。

 私たちはこの国で起きていることを説明する責任がある。ジョージ・フロイドやブリアンナ・テイラー、アマード・アーベリー、他にも数え切れないほどの人たちに起きたことには、正義がもたらされなければいけない。どうか、人種差別や特権、偏見、ヘイトについて子供たちと話してみて。もしも皆さんが子供たちに話さないのであれば、他の誰かが話すことになる。

 コメント欄について:このスペースは、ヘイトではなく、意義のある議論のために使ってほしい。この世の中にはヘイトはもう充分。このスペースが、議論や理解、成長、愛に繋がってくれることを願ってる。私たちにはもっとそういうものが必要。

 リースの投稿には多くの著名人がコメントを寄せていて、ハル・ベリーが「発言してくれてありがとう」とコメントしているほか、ルピタ・ニョンゴも「ありがとう!」とコメント。オクタビア・スペンサーもお祈りの絵文字を投稿しているほか、ジェシカ・チャステインやナタリー・ポートマンもハートの絵文字をコメントして、リースの意見に賛同する姿勢を示している。(フロントロウ編集部)

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