ドラマ『glee/グリー』の共演者たちへの「人種差別疑惑」が浮上したリア・ミシェルが、ついに沈黙を破った。弁解と謝罪を口にしたリアのコメントを全文訳。(フロントロウ編集部)

リア・ミシェルが「人種差別疑惑」に沈黙を破る

 いじめや障がい、LGBTQ+といったテーマを取り入れた、大人気青春ミュージカルドラマ『glee/グリー』(以下『グリー』)のレイチェル役でブレイクした俳優のリア・ミシェルが、同ドラマのシーズン6にジェーン役で出演していた俳優のサマンサ・ウェアから人種差別的な行動を告発され、さらにその後、ほかの共演者たちからも、人種差別やいじめと受け取れる行為を暴露された件で、リア本人が騒動について声明を出した。

 以下、弁解と謝罪を込めたリアのメッセージを全文訳。

ここ数週間で得た重要な教訓の1つは、私たちは、ほかの人たちの物事に対する見方や、自分たちがどんな役割を果たして来たか、どうやったら彼らが直面する不正に対処するのを手伝うことができるのかを、しっかりと聞き、学ぶために時間を取らなくてはならないということです。

先日のツイートは、この非常に困難な状況のもと、有色人種の人々やコミュニティに対してサポートを表明するためのものでした。しかし、私が受け取った反応は、自分自身のキャストたちに対する行動が、彼らには、どのように受け取られていたかということを見つめ直すきっかけとなるものでした。

指摘されたようなコメントをした覚えはなく、誰かを生い立ちや肌の色で判断したこともありませんが、重要なのはそんな事ではありません。問題なのは、私が明らかに、ほかの人たちを傷つけるような行動を取ってしまったということです。

私の恵まれた立場や視点が、思いやりがない、もしくは、不適切だと感じさせてしまったのか、それとも、私の未熟さや不必要な気難しさが原因だったのかは分かりません。しかし、どうであれ、私は、自分の行いや、それによって引き起こしてしまった苦痛について謝罪します。

私たちはみんな成長し、変わることができます。私は、過去数カ月間を自分の欠点について反省する時間に充ててきました。あと数カ月で私は母になります。より良い自分になるために努力を続け、自分の行動に責任を持つべきだということを重々承知しています。自分の子供にとって真の模範となり、自分が学んだ教訓や失敗について教えることで、彼らが私から学べるよう、寄せられた批判にしっかりと耳を傾け、学んでいます。それと同時に、心から申し訳なく思っています。今回の経験をもとに、将来より良い人になれるよう努めます」


「人種差別疑惑」が浮上したきっかけ

 騒動のきっかけは、黒人男性のジョージ・フロイドが白人の元警察官(※)デレク・ショービン容疑者に殺害された事件をうけて、リアが「ジョージ・フロイド氏の身に起きたことはあまりにも不公平です。これはただの事件ではありません。このようなことは、もう二度とあってはなりません。#Black Lives Matter/ブラック・ライヴズ・マター(黒人の命にも価値がある)」と人種差別に抗議するツイートをしたこと。

※事件後に懲戒免職となり、第3級殺人と第2級故殺の疑いで逮捕・起訴された。

 これに対し、『グリー』の出演中にリアからひどい扱いを受けたというサマンサが「爆笑。あなたのせいで、私の初めてのテレビ出演が“生き地獄”になったことを忘れちゃったの?!?!少なくとも私は一生忘れない。たしか、あなたはできることなら私のウィッグに『糞をしてやりたい』ってみんなに言ってたよね。トラウマになるような自覚なき差別によって、私はハリウッドでキャリアを築くこと疑問を感じるはめになった…」と反応したことで、リアが『グリー』の撮影現場で人種差別に基く“共演者いじめ”をしていたとの疑惑が浮上した。

画像: サマンサ・ウェア

サマンサ・ウェア

 ユニークことウェイド役で『グリー』に出演していた俳優兼シンガーのアレックス・ニューウェルや、シーズン1からリアと共演していたメルセデス役の俳優アンバー・ライリーといったアフリカ系の血を引くキャストたちが、遠回しながらリアの人種差別的行動があったことを認めるような反応を示し、シーズン4からマーリー役でキャストの仲間入りをしたメリッサ・ブノワも、アレックスやアンバーのツイートに“いいね”をしてサマンサの主張に同調した。

画像: 左から:アンバー・ライリー、アレックス・ニューウェル、メリッサ・ブノワ

左から:アンバー・ライリー、アレックス・ニューウェル、メリッサ・ブノワ

 さらに、2014年に『グリー』にゲスト出演したダビエ・スネルも、リアのツイートを引用して「お嬢さん、君は僕がほかのキャストと同じテーブルに座るのを阻止したよね。僕は“仲間じゃないから”という理由で」「彼女のメッセージを読んだら、『グリー』のセットで自分が取るに足らない存在として扱われた嫌な記憶を思い出しちゃったよ」とコメント。

 これは、人種差別とは関係が無いが、『グリー』にエキストラとして出演したシンガーのリナックス(linux)も、リアの現場での横柄な振る舞いを振り返り、「リア・ミシェルは暴君だった。スタッフに怒鳴り散らしたりして。あと、彼女は、あるエキストラを首にするように命じたんだけど、その子がじつは大物シンガーのバーブラ・ストライサンドの姪だということが発覚して、慌ててその子をセットに呼び戻すように言っていた。叔母のバーブラとお近づきになるためにね」というエピソードをツイッターで明かしたことで、リアの現場での傍若無人な行動にも注目が集まっていた。

 今回の騒動をきっかけに、リアは広告契約を結んでいた食材宅配サービスのHello Fresh(ハロー・フレッシュ)から契約解除されるという制裁を受けている。

(フロントロウ編集部)

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