アメリカで行なわれている抗議デモにより、ラッパーであるタイラー・ザ・クリエイターが手がけるファッションブランド、ゴルフ・ワン(GOLF WANG)の店舗に被害が。店を破壊されたタイラーが送ったメッセージとは。(フロントロウ編集部)

タイラー・ザ・クリエイターの店舗が破壊されるも…

 アメリカで連日行なわれている黒人差別への抗議デモ。このデモは、白人警察によって黒人男性のジョージ・フロイドが路上で約9分間も首元を膝で圧迫され続けたことにより殺害された事件がきっかけで行なわれており、現在そのデモがアメリカだけではなくヨーロッパまで拡大している。

画像: タイラー・ザ・クリエイターの店舗が破壊されるも…

 平和的に自分たちが伝えたいことを訴えている人がほとんどだけれど、一部ではデモが暴徒化して破壊や略奪行為が行なわれており、多くの店舗が被害にあっている。そんななか、ラッパーのタイラー・ザ・クリエイターが手がけるファッションブランド、ゴルフ・ワン(GOLF WANG)のロサンゼルスにある店舗が、被害にあった。

 しかしタイラーは、自分の店が破壊されたことに怒ることはなく「店は大丈夫だ。でも、そうでなくてもガラスをなおしたり、スプレーで書かれた落書きを消したりするよりも大きなことがある。なにが本当になおす必要かを理解してくれ。気をつけてくれ、愛している」とインスタグラムのコメント欄で、デモに参加する人へ破壊行為よりももっと大切なことがあり、本質を理解してほしいということを訴えかけた。

 また、ロサンゼルスのメルローズにあるマーク・ジェイコブス(Marc Jacobs)の店舗も落書きされたうえ、ガラスが破壊され、店の中のものがすべて持ち去られる被害に。さらに「MARC JACOBS」と名前が書かれたプレートは、名前部分に黒く線がひかれ、ジョージ・フロイドとサンドラ・ブランドの名前が代わりに書かれていた。ブランド氏は、2015年に白人警官によって逮捕され、留置施設内で遺体となって発見された黒人女性で、警官の落ち度が原因で命を落としたとされている1人。

 マークは落書きされた店の前のプレートや、落書きされた店舗を、ブランドと個人、両方のインスタグラムに「命にかわるものはない。黒人の命には価値がある」とコメントをつけてアップした。またマークは、ビジネスを一時中断し、黒人差別撤廃のために企業や個人それぞれがこの問題に考えを巡らせ、できることを実行しようと発足した運動である「#Blackout Tuesday(ブラックアウト・チューズデー)」と呼ばれるストライキにも参加し、抗議デモを支援した。

 多くの店舗が破壊の被害を受けているけれど、暴徒化しているのはごく一部。店が被害を受けたブランドも、このブラック・ライヴズ・マターのムーブメントを支持しているところが多い。(フロントロウ編集部)

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