メーガン妃が、母校の高校の卒業生へビデオメッセージを送った。その中では、現在アメリカで起こっているBlack Lives Matter(ブラック・ライヴズ・マター)への思いがつまっていた。(フロントロウ編集部)

黒人の母を持つメーガン妃

 2020年3月31日づけで、英国王室の高位王族の座を降り、現在は母国アメリカ、ロサンゼルスで夫のヘンリー王子と息子アーチーと暮らしているメーガン妃。アメリカでは現在、これまで多くの非武装の黒人が白人警官に殺されてきたことを受けて、黒人の命にも価値があるという意味のBlack Lives Matter(ブラック・ライヴズ・マター)をスローガンに、多くの抗議デモやプロテストが行なわれている。

 黒人の母と白人の父を持つメーガン妃が英国王室の高位王族から離脱することになった背景には、一部のタブロイド紙で数多くの誹謗中傷を書かれたことも大きな原因のひとつとしてある。また、ヘンリー王子との結婚式前には、人種を理由とした犯罪予告を受けていたと、2人を知る友人が証言している。

 そのような経験や、生まれ育ったアメリカでの経験を振り返ったメーガン妃は、母校イマキュレート・ハート高校の卒業生へ送ったビデオメッセージの中で、Black Lives Matterについて語った。

画像: 黒人の母を持つメーガン妃

「ここ数週間、あなたたちの卒業に際してどのような言葉をかけようか考えていました。この数週間私たちが目撃している、この国、この州、そして私たちのロサンゼルスの地元で起こっていることは、衝撃的なものです。そんななか、私はあなたたちになんと言えばいいのか分かりませんでした。正しいことを伝えたい。しかし私は出来ないかもしれない、もしくは批判されてしまうかもしれないと不安になっていました。しかし気がついたんです。ただ1つ言ってはいけないことは、何も言わないこと。

なぜなら、ジョージ・フロイドの命には価値があった。ブリオナ・テイラーの命には価値があった。フィランド・カスティールの命には価値があった。タミル・ライスの命には価値があった。そして、私達が知っている人々にも、知らない人々の命にも価値があった。ステフォン・クラーク、彼の命にも価値があった。

高校2年生の頃を思い出していて、私は15歳でした。みんなも知っていると思うけど、2年生でボランティア活動をすることは卒業のための必修ですね。その時の担任の先生を覚えているんですが、1人の先生が、ボランティアへ出かける前にこう言ったんです。

『他の人々が必要としているものを、あなたの恐怖より優先するべきだと、いつでも覚えておきなさい』

これは私の人生でずっと覚えているものですし、先週はこれまで以上にそのことについて考えていました。私があなたたちにまず言いたいのは、申し訳ないということ。このようなことがまだ起こっている世界であなたたちは育たなくていけなくて、本当に残念に思う」

メーガン妃、次の世代へ呼びかけ

 人種を理由に脅迫されたことがあるメーガン妃は、自身が親世代となった今なお黒人コミュニティに対する深刻な差別があることや、自分と同じように、子供たち世代がその差別の中で育たなくてはいけなかったことに心を痛めている。

 さらにメーガン妃は、彼女が10歳の頃に発生した1992年のロサンゼルス暴動の記憶について語った。ロサンゼルス暴動もまた、白人警官数名によって、黒人男性が過度な暴行を加えられたことに怒れる人々によって発生したもの。2020年現在になってもなお、同じ類の出来事が発生していることについて、若い世代への申し訳なさを語ったメーガン妃だけれど、その暴動によって差別に反対する人々の間に連帯も生まれたという。そして、これからを生きる高校生たちに、こう告げた。

画像: メーガン妃、次の世代へ呼びかけ

「あなたたちは、このムーブメントの一部になる。この卒業式はあなたたちが予想したものではないでしょう。そして想像していた祝福でもないでしょう。しかし、これを別の角度から解釈し直すこともできる。これを何かの終わりだと思わないで。これは、あなたたちがこの4年間で身につけた価値やスキルを利用していく始まりだと考えて。あなたたちは、それを導いていくの」

 その後、投票へ行くことの重要性を強調したメーガン妃はメッセージの最後に、「私達が切望したようなリーダーとして、あなたたちがこの世界に影響を与えていく始まりである今日という日を、心から祝福しています」と、卒業生たちへの祝福の言葉を締めた。(フロントロウ編集部)

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