今週末はアメリカでオレンジを身につける3日間。6月5日から7日にかけて開催される「Wear Orange(オレンジを身に着けよう)」キャンペーンとは?(フロントロウ編集部)

銃による被害がなくならないアメリカ

 米現地時間6月5日から7日の週末にかけて、アメリカで「Wear Orange(オレンジを身に着けよう)」と銘打ったイベントが開催される。これは銃暴力についての啓発を目的としたもので、オレンジを身につけて銃暴力に抗議するためのもの。

 銃社会であるアメリカでは銃暴力による事件が長年にわたって多発しており、「Wear Orange」を主催している米非営利団体Everytown Researchによれば、2020年2月20日の時点で、アメリカでは1日に100人以上が銃によって亡くなり、200人以上が銃によって怪我をしているという。

 米GUN VIOLENCE ARCHIVEによれば、アメリカではここ数年、銃による事件が増加しており、2019年になって減少したものの、昨年は自殺や殺人などを含め、銃によって3万9,457人が亡くなり、2万9,886人が怪我をしたという。銃の被害者の中には子供たちも含まれていて、0歳~11歳の子供では209人が亡くなり、486人が怪我をしたほか、12歳~17歳の子供では776人が亡くなり、2,316人が怪我をしたという。

画像: 2018年にニューヨークで開催された「Wear Orange」のイベント

2018年にニューヨークで開催された「Wear Orange」のイベント

 「Wear Orange」として毎年6月にオレンジを身につけるよう呼びかけられるようになったのも、ある銃暴力の事件がきっかけ。2013年にシカゴで当時15歳だったハディヤ・ペンドルトンが銃殺される事件が起き、友人たちがその抗議のために身につけていたのがオレンジ色のアイテムだったという。オレンジ色はハンターが狩猟中に他の仲間に撃たれないよう身につける色で、友人たちがオレンジを着ていた理由はそこからきており、現在ではオレンジ色は反銃暴力のシンボルとなっている。以来、銃暴力についての啓発を促すため、「Wear Orange」が毎年6月に開催されている。

セレブたちも参加

 これまで、多くのセレブたちも「Wear Orange」に参加しており、過去にはキム・カーダシアンや俳優のアン・ハサウェイ、ジュリアン・ムーア、レナ・ダナム、ケビン・ベーコンらが参加。オレンジを身につけ、銃暴力を啓発してきた。

2020年はオンラインで開催

 例年、「Wear Orange」の開催中は野外でもイベントが開催されていたものの、今年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で外出が制限されているため、オンラインで開催されるそう。

 今週末に全米各地でビデオ通話による集会が開催されるほか、「Wear Orange 2020」のロゴが入った写真を作成して活動を広めたり、銃規制に取り組んでいる各地域の慈善団体に寄付をしたり、ビデオ通話の背景用のオリジナル画像をダウンロードして使用したりすることなどが呼びかけられている。詳しくは「Wear Orange」の公式サイトをチェックしてみて。(フロントロウ編集部)

This article is a sponsored article by
''.