映画『クリード チャンプを継ぐ男』の主演俳優マイケル・B・ジョーダンが人種差別抗議デモに参加し、“黒人の雇用や黒人主導の作品にもっと力を入れて欲しい”とハリウッドに要求した。(フロントロウ編集部)

黒人俳優のマイケル・B・ジョーダンが声を上げる

 米現地時間5月25日、白人の元警察官(※)デレク・ショービン容疑者に約9分間首を膝で圧迫されたことにより、黒人男性のジョージ・フロイドが死亡する事件が発生したことをうけて、現在、アメリカでは黒人に対する暴力や差別の撤廃を訴える抗議運動「Black Live Matter/ブラック・ライヴズ・マター(黒人の命にも価値がある)」が各地で活発化している。
※事件後に懲戒免職となり、逮捕・起訴された。

 そんななか、マーベルMCU映画『ブラックパンサー』や、『ロッキー』シリーズのスピンオフ作『クリード チャンプを継ぐ男』などの出演作で知られる俳優のマイケル・B・ジョーダンが、大手芸能事務所4社が共同で主催した抗議デモに参加。

画像1: 黒人俳優のマイケル・B・ジョーダンが声を上げる

 以下、マイケルのスピーチの一部訳。

 「私たちは今、ハリウッドの中心にいます。(ハリウッドは)世界で最も強力なパワーを持つ業界のひとつで、私はその一員です。私は自身が運営する映画制作会社(Outlier Society)でインクルージョン・ライダーを取り入れていますが、それだけでは十分ではありません。私をサポートするブランドや芸能プロダクション、スタジオ、私とつながりを持つビジネスや私とパートナーシップを結ぶ企業が、もし警察と経済的なつながりがある場合、自分たちのビジネスを再検討する必要があります」

 インクルージョン・ライダーとは、俳優や女優が映画への出演契約をする際に、その作品の共演キャストや制作スタッフの中に女性や有色人種を少なくとも半数は含めることを求める条項のことで、役者が自分の出演作に多様性を約束させることができる。

 マイケルは自身が主演と製作を兼任した映画『黒い司法 0%からの奇跡』で、ハリウッドの人気俳優として初めてこのインクルージョン・ライダーを取り入れたことで知られる。また、同映画をマイケルの映画制作会社と共同で製作した米ワーナー・ブラザースは、マイケルとのパートナー契約をきっかけに、今後、すべてのワーナー作品にインクルージョン・ライダーをポリシーに含めることを決定した。

画像2: 黒人俳優のマイケル・B・ジョーダンが声を上げる

 「私はインクルージョン・ライダーやその他の良いシステムを取り入れたことを誇りに思います。今後も自分の力を使って多様性を要求するつもりですが、スタジオやエージェンジー、そして今私たちの背後にそびえ立つビルの中にいる人たちも同じことをする時が来ました。

 あなた方は、2020年までに男女比を五分五分にすることを約束しました。では、黒人の雇用に関する取り組みや課題はどうでしょう?黒人のエグゼクティブ・プロデューサーや黒人のコンサルタントが主導する黒人向けのコンテンツ。私たちが伝える物語にまで規制をかけるつもりですか?どうか私たちの闇に光を当てる機会をください。

 みなさんが大好きな黒人文化(ブラック・カルチャー)、例えばスニーカーやスポーツ、コメディ文化など、あらゆる場面で私たちは差別と向き合ってきました。黒人がオーナーのブランドや会社、黒人のリーダー、黒人主導の団体に資金提供をしてもらえませんか?私たちの業界が生み出した問題を解決するために取り組んできた非営利団体を支援してくれませんか?」 

画像3: 黒人俳優のマイケル・B・ジョーダンが声を上げる

 また、マイケルは今後、人種差別的な信念を持つ人や、Black Lives Matter/ブラック・ライヴズ・マターを支持しない人たちとは一緒に仕事をするつもりはない

 「もし人種差別的な信念を持っている場合、もし骨の髄まで人種差別的な信念がしみついている場合、もし私の考えに同意できない場合、もし私や私と同じ見た目の人たちと一緒に声を上げない場合、私と一緒にいる必要はありません」

(フロントロウ編集部)

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