人気番組『セサミストリート』に登場するエルモが、父親であるルーイに人々がデモ活動をしている理由を質問。ルーイはその理由や背景にある人種差別をエルモに分かりやすく説明した。(フロントロウ編集部)

全世界で起きているブラック・ライヴズ・マター運動

 現地時間5月25日にアメリカ・ミネソタ州で、警官によって路上で約9分間も首を膝で圧迫され続け殺害されたジョージ・フロイドの死がきっかけとなり、アメリカを皮切りに、ここ日本やヨーロッパなど、世界各国で人種差別に抗議するためのブラック・ライヴズ・マター(Black Lives Matter)運動が行なわれている。

 とりわけアメリカでは、多くの地域で人種差別の撤廃を訴える抗議デモが行なわれてきており、これまでにカニエ・ウェスト、アリアナ・グランデ、ホールジー、カミラ・カベロ、ショーン・メンデス、ジョン・ボイエガ、ダヴ・キャメロン、マシンガン・ケリーらセレブを含む、多くの人々がこのデモに参加してきた。

画像: 現地時間6月8日にブルックリンで行なわれた抗議デモには子供たちも参加した。

現地時間6月8日にブルックリンで行なわれた抗議デモには子供たちも参加した。

エルモが人種差別やデモの意味について質問

 そんななか、1969年にスタートしたアメリカの子供向け人気番組『セサミストリート』でも今回のデモ活動が話題に。番組の中で、エルモはストリートで行なわれている抗議デモに言及。エルモは人々が集まっている理由が分からないとして、「どうしてみんなが集まっているの?」と父親のルーイに質問した。

 「プロテスト(抗議)のために集まっているんだよ」と答えたルーイに、「プロテストって何?」と再びエルモ。「プロテストというのは、人々が集まって、何かに対する怒りや反対を示すことだよ。他の人たちにも問題を知ってもらうためにね。プロテストを通じて、人々は感情を共有でき、物事をよくするために力を合わせることができるんだ」とルーイはプロテストについて説明した。

 「彼らは怒っているように見えるよ。プロテストしている人たちは悲しいの?」と、エルモは抗議デモに参加している人々の表情についてルーイに質問。「彼らは悲しんでいるし、怒っている。彼らにはその権利があるんだよ、エルモ。人々が怒っているのは、この国において人種差別が大きな問題だからなんだ」とエルモに説いたルーイは、続けて人種差別について「人種差別というのは、人々の見た目や肌の色のために、他の人たちを不公平に扱うことだよ」と教えた。

 「肌の色? エルモには理解できないよ。エルモにはいろいろな肌をしている友達がいる。それから、毛皮の友達も」とエルモ。「分かるよ、エルモ。だけど、すべてのストリートがセサミ・ストリートのようではないんだ」とルーイは語り、次のように続けた。

画像: エルモが人種差別やデモの意味について質問

「セサミ・ストリートでは、全員がお互いに愛情と敬意を持っている。全米、とりわけ黒人のコミュニティにおいては、有色の人たちが、見た目や文化、人種、その人らしさのために不公平に扱われてしまっているんだ。僕らが見ているのは、『もう十分だ』って言っている人たちの姿だよ。人種差別を終わらせようとしているんだ」

 ルーイから抗議デモや人種差別について説明してもらった上で、みんなが平等に扱われるようになるために、「僕には何ができる?エルモはどうすれば友達をサポートできる?」と質問したエルモ。ルーイはそんなエルモに対し、「学び、起きていることについて会話をし、行動を起こすことから始められるよ」と、今起きていることを知った上で行動を起こすことが大切だと教えた。

 番組の模様はこちら。

『スポンジ・ボブ』のテレビ局でもトピックに

 子供向けの番組で今回の人種差別問題がトピックになったのは『セサミストリート』が初めてではなく、『スポンジ・ボブ』などを放送する子供向けチャンネルのニコロデオンは先日、Black Lives Matter運動を受けて、これからを生きる子供たちに次のようなメッセージを送った。

「君たちには、世界の市民として、認識され、その声を聞いてもらい、敬意を払われる権利がある。

君たちには、平和な世界に対して権利がある。

君たちには、肌の色に関係なく平等に扱われる権利がある。

君たちには、危害や不正、嫌悪から守られるべきだという権利がある。

君たちには、世界を率いていくための教育を受ける権利がある。

君たちには、他の人がそれに賛成しなくても、自分の意見や感情を持つ権利がある」

(フロントロウ編集部)

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