米ウォルト・ディズニー・カンパニーが、黒人の社員数名が同僚に向けて制作した「メッセージ動画」を公開。約5分の動画に込められた思いとは?(フロントロウ編集部)

ディズニーが「同僚からのメッセージ」を公開

 今年5月、黒人男性のジョージ・フロイドが白人の警察官によって殺害された事件がきっかけで、黒人に対する人種差別の撲滅を訴える抗議デモ「Black Lives Matter/ブラック・ライヴズ・マター(黒人の命にも価値がある)」がアメリカ国内のみならず、全世界で活発化するなか、米ウォルト・ディズニー・カンパニー(以下ディズニー)が、黒人の社員たちが制作した「メッセージ動画」をYouTubeの公式チャンネルで公開した。

画像: ディズニーが「同僚からのメッセージ」を公開

 「我々の何人かの同僚が、ほかの社員に共有するためにパワフルかつとてもパーソナルな動画を作りました。この国の人種的な不平等をなくすためにも、この問題への理解を深めること、団結すること、行動を起こすことの必要性を訴えています。我々はBlack Lives Matter/ブラック・ライヴズ・マターを支持します。この動画に込められたメッセージをみなさんも聞くべきだと思ったので、シェアすることにしました」−ディズニー

 「我々の同僚からのメッセージ(A message from our colleagues)」と名付けられた、その動画がコチラ。

 動画の前半部分では、「成人の黒人が警察から職務質問を受けた回数の平均は5回」「成人の黒人の65%が過去に犯人扱いされたことがある。(白人は25%)」という事実とともに、「友人と近所で自転車に乗っていただけで警察に止められ、銃を向けられた」、「(元カレから)もうデートはできないと言われた。理由は私が黒人だから」、「朝5時にショッピングモールに併設されているジムに行ったら警察に尾行され、銃を向けられた(中略)その数分後に手錠をかけられた。その時、周りには10〜15人くらい警察官がいた」、「(トレイボン・マーティンの射殺事件があった直後に)もし、娘じゃなくて息子がいたら何か違ったかと、父に聞いたことがある。父は『別の国で育てる』と答えた」といった経験談が、黒人の社員たちによって語られた。

 また、動画の後半部分では、「同僚のみなさんへ。どうか人種差別をめぐる問題や制度的な人種差別(Systematic Racism)についても学んでください。警察の残虐行為だけが問題なのではありません」「ブラック・ライヴズ・マター(Black Lives Matter)、構造的な人種差別(Structural Racism)、白人の特権(White Privilege)…これらについてわからない、もしくは気にかかる場合はリサーチをしてください。オープンマインドになって、これらのトピックについて掘り下げるのです」といった同僚へのお願いとともに、人種差別撤廃に向けて、自分たちと一緒に戦ってほしいと呼びかけた。

 最後は、マーベル初の黒人ヒーロー、ティ・チャラことブラックパンサーが主人公の映画『ブラックパンサー』に出てくるセリフ「ワカンダ・フォーエバー」を用いて、「みんなで一緒に『ワカンダ・フォーエバー』と讃えた時のことを覚えていますか?今はまさにそれと同じ状況です」という言葉で締めくくっている。

 ちなみに、ディズニーは社をあげて人種差別撤廃に取り組むことを表明しており、フロイド氏の事件があった直後に全社員に送ったメッセージで、会社として“人の痛みや気持ちがわかる文化”を築くことを約束すると同時に、「変化」という名の勝利を手にするまで、解決策を模索し続けることを誓っている。(フロントロウ編集部)

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