アメリカで活躍するヘアスタイリストが、黒人の少女をモデルに新しいプリンセスのイメージを制作。完璧すぎる。(フロントロウ編集部)

大絶賛の黒人プリンセス

 プリンセスや王子様、カッコいい女性/男性ヒーローなど、子供の頃に物語の中に登場するキャラクターに憧れた人は多い。『シンデレラ』や『白雪姫』、『ふしぎの国のアリス』など、その多くはファンタジーで様々な種族が登場するけれど、主役は白人が多い。

 それは、人口の52%を黒人が占めるアメリカのアトランタでも同じ。そこで、アトランタを拠点とするヘアスタイリストのラチャンダ・ガットソンと、フォトグラファーデュオのクリエイティブソウルが、黒人の少女たちをモデルに、新たなプリンセス像を作り上げた。ラチャンダは、すでに存在するプリンセスを再現するのではなく、そこに様々な文化的要素を混ぜ込んだそう。

 彼女は米Peopleに、世界中の黒人の少女たちにも自分のことを「正統なプリンセス」だと感じてほしいと話す。「このシリーズが、ファンタジーにおける包括性や黒人のクリエイティビティへの終わりのない機会の始まりになればと願っています」。

肌の色や性別にとらわれず、様々な描き方をする重要性

 ラチャンダが、「会話を続け、私達の子供たちにも価値があるということを理解しましょう」というように、メディアで、黒人を含む特定の人種や、女性、LGBTQ+の人々が描かれなかったり、ステレオタイプな描かれ方をしていたりすることは、度々問題となっている。

 現在制作中のディズニー映画『リトル・マーメイド』の実写版で、主役アリエルに黒人のハリー・ベイリーが決定した際には、アニメ版では白人なのになぜ黒人を起用するのかという意見もあった一方で、物語がファンタジーであることは楽しむのに、なぜ肌の色にはこだわるのか、という指摘も多かった。

 ハリーと姉のクロイ・ベイリーが、キャスティング決定のニュースの後に投稿したツイート。

 メインキャラクターがほぼ全員黒人ということでも注目を集めたディズニー/マーベル映画『ブラックパンサー』が公開された際には、子供達が喜びのダンスを踊る映像がSNSで拡散された。『ブラックパンサー』の“価値”について、ジャーナリストのジャミル・スミス氏は米Timeでこう語る。

「もしあなたが白人であれば、メディアの中で自分のような(人種の)人を見ることは、そこまで思いを馳せるようなことではないでしょう。毎日起きている文化の中では、あなただけでなく、あなたがなれる数えきれないタイプの人々を映しています。幹部や詩人、清掃員や兵士、看護師などなど。世界は、あなたの可能性は無限だと言っているのでしょう」

「白人でない私たちは、メディアや公共物の中に自分たちを表現しているものを見つけることに日々苦労しているだけでなく、私たちの人柄は様々だという表現を見つけるのにも困難を感じています。スクリーンの中のキャラクターたちが自分たちに似ていることは、私たちが、自分たちの存在は認識されていて、理解されていると感じるためだけでなく、私たちを見て理解する必要がある他の人々にとっても不可欠なことです。もしそれが起きないのであれば、私達はみんな、それらのことを理解や認識できないでしょう」

 多くの映画やドラマで、様々なタイプのキャラクターが増えている。この事実は、これからを生きてく子供たちに良い影響を与えることは間違いないよう。(フロントロウ編集部)

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