営業再開を目前に控えるアメリカのディズニーランド&ディズニーワールドに、“思わぬ壁”が立ちはだかっている。(フロントロウ編集部)

ゲストは営業再開に大喜びも、キャストは…

 現在、新型コロナウイルスの感染拡大防止のために臨時休園している、カリフォルニア州アナハイムにあるディズニーランド・リゾートとフロリダ州オーランドにあるウォルト・ディズニー・ワールド・リゾート(以下ディズニーワールド)が、再オープンを目前に“思わぬ壁”に直面している。

 ディズニーワールドは、現地時間7月11日にマジック・キングダムとアニマル・キングダム、7月15日にエプコットとハリウッド・スタジオの営業を再開すると発表しており、対するディズニーランドも、州や自治体から許可がおりた場合、7月17日から営業を再開することを予定している。ちなみに、7月17日は65年前にディズニーランドが開園した日と同じで、“記念日”にあたる。

画像: ゲストは営業再開に大喜びも、キャストは…

 日本でも、東京ディズニーランドと東京ディズニーシーが、7月1日から運営を再開することが発表されたが、やはり再オープンにあたって心配されるのは、新型コロナウイルスの感染リスク。

 新型コロナの累計感染者数が230万人を超過したアメリカでは、すでに多くの州で経済活動が再開されているが、全体の約半数にあたる23の州で感染者の数が増加傾向にある。とくに、ディズニーワールドがあるフロリダ州では感染者数が10万人を超え、次の感染拡大の中心地になるのでは懸念されている。

 そのため、ディズニーランド&ディズニーワールドで働く一部のキャストからは、7月の営業再開は「時期尚早」との声もあがっており、先日、ディズニーランドの従業員約17,000人が加入する労働組合が、7月の営業再開を承認しないよう求める書簡をカリフォルニア州のニューサム知事宛てに提出。

 また、ディズニーワールドの従業員も、一般市民向けの政治活動サイト「MoveOn.org」に、「まだウイルスはなくなっていません。むしろフロリダ州では悪化の一途をたどっています。テーマパークはリラックスして自由な時間を過ごすのに最適な場所です。でも、(人々の生活に)“必須”のビジネスではありません。従業員が命をかけて働かなければならないのは不公平です。健康にリスクを抱える人や、健康にリスクを抱える家族がいる人にとってはとくに。利益を上げることよりも、人の命のほうが重要です。市長、テーマパークの幹部、そして政府関係者の方々へ。どうか、私たちの言葉を聞いてください」という内容のメッセージを投稿し、すでに5,000人近い従業員の署名を集めている。

 ちなみに、今年5月にいち早く営業再開に踏み切った上海ディズニーランドでは、ゲストにマスク着用と社会的距離の維持を義務付けており、このルールは今後営業を再開するアメリカや日本、フランスのディズニーランドでも適用されることになる。さらに、従業員もマスクの着用が義務付けられ、安全面を考慮してミート&グリートやパレードの中止といった対応も取られるようだが、不特定多数の人が集まる場所だけに不安をぬぐいきれないキャストも多いよう。(フロントロウ編集部)

This article is a sponsored article by
''.