TikTokやインスタグラムで流行中の「フォックスアイ」と呼ばれるアイメイクがアジア人蔑視なのではないかと議論が巻き起こっている。(フロントロウ編集部)

「フォックスアイ」がTikTokやインスタグラムでトレンドに

 さまざまな美容トレンドの発信源としても注目を集めるインスタグラムやTikTokで、今、トライする人が急増しているのが「フォックスアイ(Fox Eyes)」もしくは「フォクシーアイ(Foxy Eyes)」と呼ばれるアイメイク。

 その名の通り、キツネのように切れ長でつり上がった目の形に仕上げるメイクで、アイライナーを目尻から長めにつり上げるように引いたり、アイシャドウでシャープなラインを演出したり、目頭にも、日本でいう“目頭切開風”のラインを入れて目の横幅を広く見せることで、クールかつ美人顔になれると評判となっている。

 アジア系の人々が持つ、スッとした切れ長の目への憧れを表現しているとも言われるフォクシーアイは、ベラ・ハディッドやケンダル・ジェンナー&カイリー・ジェンナーといった人気セレブが取り入れたことや、もともと切れ長な目を持つシンガーのリアーナやヴィクトリアズ・シークレット・モデルのエルザ・ホスクのような涼し気な眼差しを手に入れたいと願う女性たちがマネするようになったのがブームのきっかけだと言われている。 

画像: ベラ・ハディッド

ベラ・ハディッド

ケンダル&カイリー・ジェンナー

画像: 左:リアーナ、右:エルザ・ホスク

左:リアーナ、右:エルザ・ホスク


フォクシーアイはアジア人蔑視?

 しかし、一部で、このフォクシーアイが、アジア人の顔の造詣をからかっているようで不快だという意見が。

 というのも、SNSでこのフォクシーアイ・メイクの仕上がりをお披露目している欧米人ユーザーの多くが、目尻を指先で斜め上に引っ張って細長くする、日本ではよく「キツネ目」、「にゃんこの目」と呼ばれるジェスチャーをしているから。


 このジェスチャーは、海外ではアジア人に対する侮辱行為の典型としてタブー視されている。

 米インターネット掲示板のRedditで、あるユーザーが「フォクシーアイはアジア人に対する侮蔑か否か?」というスレッドを立ち上げ、世間の意見を聞いたところ、切れ長の目自体はアジア人だけに特化したものではないため、フォクシーアイ自体は特に問題視していないとの意見がほとんど。

 しかし、なかには、「子供の頃、友だちから目の形を嘲笑された時のことを思い出してしまう」と辛い記憶を口にするアジア系の血を引くユーザーもおり、さらに、ツイッターでは、「メイク自体は別に人種差別的だとは思わないけど、目尻を引っ張るポーズを意図的にやってるならNGだね」、「やっぱり、なんだか人種差別っぽい匂いがする…」と、腑に落ちないといった感想を述べるユーザーもちらほらいる。


フォクシーアイ・ポーズをしたユーチューバーが炎上

 コミカルな投稿が人気でYouTubeチャンネルの登録者数が907万人を超えるユーチューバーのエマ・チェンバレンは、フォクシーアイが流行していることに便乗してか、インスタグラムに、メイクとは関係なく、キツネ目ポーズをする写真を投稿。

 これには、「私はアジア人だけど、フォクシーアイには気分を害されてる。私たちの目は単なるトレンドじゃない」、「アジア人として言うけど、エマ・チェンバレンの投稿には気分が悪くなった。だいたい『フォックスアイ』トレンドは良くないと思う。もう長い間、人々はアジア人の目の形を馬鹿にするために目を細めるジェスチャーをしてる。私がアジア系だって言うと、故意に目を細めて見せる人だっている」と不快感を露わにするユーザーが相次いだ。 

 事態を重く受け止めた、エマは、ツイッターを通じて「そんなつもりじゃなかった。傷つけてしまった人たち、ごめんなさい」と謝罪。彼女を擁護する声もあるが、フォクシーアイが流行していることを免罪符とするかのように、面白がって人種差別的なポーズをする人たちが出現するのは、やはり問題だと議論が交わされている。(フロントロウ編集部)

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