2020年6月12日に公開されたグレタ・ガーウィグ監督の映画『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』は、アメリカの女性小説家ルイーザ・メイ・オルコットが1868年に発表した小説『若草物語』を大胆にリメイクした作品。南北戦争時代をたくましく生き抜く4姉妹の物語と同じく、19世紀の中盤〜後半を生き抜いた女性を描いた映画を7作品厳選してご紹介。(フロントロウ編集部)

『ハリエット』

 アフリカ系アメリカ人女性として初めて新20ドル紙幣に採用された奴隷解放運動家ハリエット・タブマンの人生を描いた作品。ハリエットは、初の女性指揮官として、南北戦争を戦ったことでも有名な女性。ハリエットを演じたのは、舞台を中心にキャリアを築き、2016年にトニー賞最優秀女優賞を受賞し、2018年に映画『ホテル・エルロワイヤル』でスクリーンデビューをしたシンシア・エリボ。シンシアは本作で、アカデミー賞主演女優賞と主題歌賞にノミネートされた。


『リトル・プリンセス』

 1995年に公開された、アルフォンソ・キュアロン監督の作品。原作は、19世紀後半に活躍した女性小説家、フランシス・ホジソン・バーネットの『小公女』。当時、英領であったインドで幸せに暮らすイギリス人の少女セーラが、様々な困難に見舞われながらもまっすぐ、気高く成長していく様子を描いている、涙なしにはみられない素敵な作品。


『メアリーの総て』

 サウジアラビア出身の、初の女性監督ハイファ・アル=マンスールが監督を務め、エル・ファニング、メイジー・ウィリアムズなどの人気俳優が出演している『メアリーの総て』。小説『フランケンシュタイン』を執筆したイギリスの女性作家メアリー・シェリーの激動の人生を描いている。19世紀の女性の話ではあるものの、彼女の苦悩は現代に通じるものがある。


『ヴィクトリア女王 最期の秘密』

 オスカー俳優のジュディ・デンチがヴィクトリア女王を熱演した『ヴィクトリア女王 最期の秘密』。舞台は1887年、ヴィクトリア女王の在位50周年記念式典。愛する者を失い、人生に失望しかけた女王が、再び人を愛するきっかけとなったインド人従者と出会うストーリー。当時のイギリスの美しい衣装や庭だけでなく、インド人の身につけている壮麗な民族衣装にも注目。


『The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ』

 ソフィア・コッポラ監督のもと、ニコール・キッドマン、コリン・ファレル、キルスティン・ダンスト、エル・ファニングという豪華キャストが贈る戦慄の愛憎劇。南北戦争中の南部の森の奥でキリスト教の教えを守りながら暮らす女性たちのもとに、偶然やってきた敵の男性と、彼女たちのドロドロ劇を描く。本作は、1971年にクリント・イーストウッド主演で公開された映画『白い肌の異常な夜』のリメイク作品でもある。


『バベットの晩餐会』

 1987年に公開され、アカデミー賞最優秀外国語映画賞を受賞したデンマークの映画。原作は、同国の国民的な女性作家カレン・ブリクセン。19世紀デンマークの小さな村を舞台に、ある初老の姉妹と二人に仕えるメイドの様子を描き出している。ある日宝くじで大金を当てたメイドは、そのお金を使って村人のために素晴らしいディナーを用意するために腕を振るう、という最高に心温まる作品。映画の大半が美しい讃美歌と食事のシーンという、たいへんほっこりな映画。


『若草物語』

1994年に公開されたバージョンの『若草物語』。原作は、ルイーザ・メイ・オルコットの同名小説で、米南北戦争のさなかを生き抜く気丈な四姉妹の姿を描いている。ジョーを演じた主演のウィノナ・ライダーは本作でアカデミー賞にノミネートされた。また、本作には20歳のころのクリスチャン・ベールも出演している。『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』との違いを確かめながら見るのも面白い。

19世紀を生きた女性を描いた作品は、他にもまだまだたくさん。映画『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』は、2020年6月12日より日本全国の劇場で公開。(フロントロウ編集部)

This article is a sponsored article by
''.