VRの世界を描く『レディ・プレイヤー1』
巨匠スティーヴン・スピルバーグ監督が手掛け、2018年に公開された映画『レディ・プレイヤー1』。2011年にアメリカで発表されたアーネスト・クラインの小説『ゲームウォーズ』を原作としたSF映画の舞台は2045年。世界は荒廃し、多くの若者がVRの仮想現実「オアシス」に入り浸っていた。そんななか、創設者のジェームズ・ハリデーが逝去。彼の遺言である、「全世界に告ぐ。オアシスに眠る3つの謎を解いた者に全財産56兆円と、この世界のすべてを捧げよう」という声明が発表され、ハリデーがオアシス内に隠したアイテム“イースターエッグ”を探すゲームが世界を巻き込んで開始された…。
『レディ・プレイヤー1』、ロゴにもこだわりがある
VRの世界がテーマである本作では、その映像が魅力のひとつ。なんでもありの仮想現実では、DCコミックス『バットマン』や『バック・トゥ・ザ・フューチャー』、日本のアニメーション映画『AKIRA』など、数多くの映画へのオマージュもふんだんに盛り込まれている。
例えば、1980年公開の映画『シャイニング』の雪の巨大迷路。迷路は、VRの世界で探し物をする『レディ・プレイヤー1』で重要なキーワードだったよう。現実世界のスラム街も迷路感があるし、スピルバーグ監督も、オアシスの世界観を映像化するのは「迷路のようだった」と本作のブルーレイ特典映像で語っている。
そしてそんな迷路は、こんなところにも。
本作のタイトルロゴをよく見てみると…? そう、「Ready Player One」のOの中に卵(エッグ)があり、そこをスタート地点とする迷路になっている! このデザインを手掛けたのは、世界的に有名なデザイナーであるエミリー・オバーマン。映画作品となると、そのストーリーや映像にばかり注目がいってしまいがちだけれど、細部にまで手を抜かないのが、さすがトップクリエイターたちが作り出した『レディ・プレイヤー1』といえる。(フロントロウ編集部)