実写版が制作中の『リトル・マーメイド』
ディズニーによる1989年のアニメーション映画『リトル・マーメイド』が実写化されることが発表され、主役アリエルには、2018年のグラミー賞新人賞にノミネートされた姉妹デュオであるクロイ&ハリー(Chloex Halle)のハリー・ベイリーが決定している。エリック王子役には、人気ボーイズグループであるワン・ダイレクションのハリー・スタイルズの名が浮上していたけれど、最終的には俳優のジョナ・ハウアー・キングが起用された。
さらに、映画『オーシャンズ8』のオークワフィナがカモメのスカットル役、映画『ルームROOM』で圧倒的な演技力をみせた子役のジェイコブ・トレンブレイが魚のフランダー役に決まっている。そして、悪役アースラはコメディ俳優メリッサ・マッカーシーが、“海の王”トリトン役はオスカー俳優のハビエル・バルデムが務め、大物が脇を固める。
『リトル・マーメイド』の仮タイトルが判明
『リトル・マーメイド』の撮影は、イギリスのロンドンで3月中旬から開始される予定だったけれど、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、ウォルト・ディズニーは3月13日に、本作を含む新作7作品の撮影・制作を中断。
しかし、『リトル・マーメイド』の公開予定時期である2021年11月に変更はないと見られている。そんななか、ディズニーに関するニュースを専門に扱う米メディアThe DisInsiderの編集長が、『リトル・マーメイド』のワーキングタイトルを伝えた。
彼によると、そのタイトルは「SCALLOP(ホタテ貝)」!
Disney's THE LITTLE MERMAID will shoot under the working title ”SCALLOP” pic.twitter.com/Ejv6u27gd0
— Skyler Shuler (@SkylerShuler) July 9, 2020
ワーキングタイトルとは、その作品の制作過程で使用されるプロジェクトネームで、仮タイトルのようなもの。『リトル・マーメイド』の制作陣は、海が舞台の作品らしいワーキングタイトルにしたよう。ちなみに、ワーキングタイトルは本タイトルに影響しないことのほうが多く、SCALLOPが本タイトルになる可能性は低い。
黒人のアリエルをめぐっては論争もあった
『リトル・マーメイド』の実写版では、アリエル役に黒人のハリーが起用されたことで、アニメ版では白人なのになぜ黒人を起用するのかという意見もあった。一方で、物語がファンタジーであることは楽しむのに、なぜ肌の色にはこだわるのか、という指摘も多い。また、『リトル・マーメイド』の舞台はメキシコ湾の南、大西洋に隣接する水域のカリブ海と言われており、キューバやジャマイカ、ドミニカ国などのカリブ諸国は黒人が多いことから、ハリーのキャスティングに問題点はないとするファンも多い。
また、原作である『人魚姫』の作者ハンス・クリスチャン・アンデルセンがデンマーク人であることに関して、ディズニー傘下のABCテレビジョン・グループの子会社が展開するケーブルTVチャンネル「フリーフォーム(Freeform)」は、批判の声にこう反論している。
「『リトル・マーメイド』の原作の作者はデンマーク人です。そしてアリエルは…マーメイド(人魚)です。彼女は国際的な流域にある海底王国に暮らしていて、泳げばどこへでも行けます(トリトン王によくそのことを怒られていますね。まったく過保護な父親です)。
ところで、仮にアリエルがデンマーク人だったとして、彼女が黒人でもなんらおかしくはありません。なぜなら、デンマーク人のなかにも黒人はいるから。
アリエルは、スカットルやジャマイカ出身のカニ、セバスチャン(ごめんね、フランダー!)と一緒によく地上の世界で日に当たり、小麦色の肌を保っているのです。また、黒人のデンマーク人も人魚も、遺伝子的に赤毛に生まれてくる可能性はゼロではありません。
あと、これはネタバレかもしれませんが、話を最初に戻すとアリエルというキャラクターはフィクション(架空)です。誰が何を言おうと、卓越的かつ革新的で、才能に満ちあふれたハリー・ベイリーがアリエル役に抜擢されたことは、まさに『素晴らしい』のひと言です。『アニメ版と似ていないから』という理由で批判する人がいるとすれば、もう何と言ったらいいのやら…って、あなたのことですよ」
様々な論争を経て「SCALLOP」というワーキングタイトルも決まり、多くのプロダクションが再開してきていることから、『リトル・マーメイド』の撮影ももうすぐスタートされるのではないかと見られている。実写版『リトル・マーメイド』がどのようなものになるのか、続報が待たれる。(フロントロウ編集部)