Photo:ニュースコム、ゲッティイメージズ、©️Krzysztof Wiktor (ZDF)
ドイツとデンマークで共同制作されたドラマ『Slow Burn(Sløborn)』が、新型コロナウイルス流行による状況をまるで予見したような内容だと話題を呼び、関係者や視聴者を騒然とさせている。(フロントロウ編集部)

まるで新型コロナ予見のドラマ『スロー・バーン』

 ドイツで放送されているドラマ『スロー・バーン(Slow Burn/Sløborn)』は、ある小さなコミュニティで始まったウイルスによる病が、どのようにして広まっていったかを描いた作品。まるで新型コロナウイルス禍にある世界の状況を見て制作されたような内容にもかかわらず、実際に撮影されたのは2019年のウイルス流行前。

 物語は、ある架空の島を舞台に、風邪のような症状が突然流行し始めるところから始まる。島民は、マスクを着用し始めて、ソーシャルディスタンスを保つよう指示を受ける。それから検疫のルールが導入され、人々はウイルスの起源に様々な陰謀が隠されているとウワサし始める。

 『Slow Burn(Sløborn)』のクリエイターたちは元々本作を「現代社会を舞台にした終末系スリラー」と表現し、「“文明”という薄っぺらいものが崩壊した時、私たちに何が起こるか」を探る作品であると紹介していた。撮影時は完全なるフィクションとして制作されたにもかかわらず、放送が始まるまでに世界は一変。放送局のトップは、本作の内容があまりにも現実と近すぎるため心的ストレスを感じる視聴者がいるかもしれないことを懸念して、声明を公表する事態までになった。

 本作の監督と脚本を務めたクリスチャン・アルバートは、作品の放送前に「問題は、視聴者に今すぐ見てもらえるかどうかだった」とインタビューで不安を明かしていた。

画像: まるで新型コロナ予見のドラマ『スロー・バーン』

 ドイツがロックダウンされたとき、シリーズは撮影完了後の最終段階に入っていたところだった。アルバート監督は、「前の年に何を撮影したのかを知っていたから、それ(新型コロナウイルス流行)は私たちの背筋を震わせた」と語っている。

 『Slow Burn(Sløborn)』の出演者は、映画『ヒトラーの忘れ物』や『アトミック・ブロンド』のローラン・モラー、映画『ピエロがお前を嘲笑う』のヴォータン・ヴィルケ・メーリング、映画『タイムリミット 見知らぬ影』のエミリー・クーシェ、映画『西という希望の地』のアレキサンダー・シェーアなど。アルバート監督は、Netflixオリジナル作品の『ドッグス・オブ・ベルリン ~運命と選択~』などの作品を制作している。

 『Slow Burn(Sløborn)』はまだ日本での配信&放送は未定だけれど、今後の情報を要チェック。(フロントロウ編集部)

This article is a sponsored article by
''.