アメリカのディズニー・チャンネルで放送中のアニメ『ザ・オウル・ハウス(The Owl House)』の主人公がバイセクシュアルであることが公式に明らかになった。(フロントロウ編集部)

テレビシリーズ初のLGBTQ+キャラクター

 アニメ『ザ・オウル・ハウス(The Owl House)』は、ディズニー・テレビ・アニメーションが制作した作品。2020年1月10日よりシーズン1がアメリカのディズニー・チャンネルで放送され、現在シーズン2が制作中。

 ファンタジーアニメである本作は、魔法の力を持たない主人公のルス・ノセダが魔法使いになるために異世界を冒険するというストーリーで、可愛らしいイラストと緻密に描かれた戦闘シーンなどが人気。

 ルスは14歳のドミニカ系アメリカ人。彼女はストーリーの中で男の子に惹かれながらも、反発しあっていたライバルのアミティと徐々に関係を深めていく。ルスとアミティがダンスしながら敵を優雅に倒すシーンは、ファンの中でひそかに「LGBTQ+の描写なのでは」と囁かれていた。

 そんななか、ショーの制作者であるダナ・テラスが自身のツイッターでルスがバイセクシュアルで、それはディズニーの上層部からも認められ、サポートを受けながら作り上げられたキャラクターでもあることを明かした。

 もちろんこれまでもディズニーにはLGBTQ+のキャラクターはいたけれど、メインで活躍するキャラクターではなかった。2020年8月21日に日本公開予定のアニメ映画『2分の1の魔法』では、リナ・ウェイスが声優を務めるスペクターがレズビアンとして登場し、ディズニープラスで配信中のピクサーの短編アニメーション映画『殻を破る』はゲイが主人公。さらに、『アンディ・マック』でサイラス役を務める俳優のジョシュア・ラッシュはゲイで、彼が演じているサイラスもゲイであることが明かされている。

 しかし、今回のようにテレビで放送されているアニメーション作品でLGBTQ+だと明言された主人公は初めて。

ディズニーの上層部を動かした制作者の熱意

 ショーの制作者であるダナは、自身のツイッターで「私はクィアの子供たちをメインキャストに入れたいという思いをオープンにしていた。私は嘘をつくのが下手だから、こっそり物語に(LGBTQ+のキャラクターを)忍び込ませるのは難しかった」と語った。

 そして、「制作を始める準備が整った時に、ある特定のディズニーの幹部からチャンネルではいかなる形であってもゲイ、バイの表現をさせないと言われた」と明かしたうえで、「でも私はバイ! バイのキャラクターを描いてみたいの!」と、強い意思があったことを伝えた。

 それから、「幸運なことに私の頑固さは報われた。そして今や、私は現在のディズニーのリーダーたちから大きなサポートを受けながらショーを続けている」と、『ザ・オウル・ハウス』の主人公ルスがディズニー公認のLGBTQ+キャラクターであることを明言した。

 アニメ『ザ・オウル・ハウス(The Owl House)』の日本での放送は未定。今後の情報を待とう。(フロントロウ編集部)

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