8月19日は、世界人道デー。2020年の世界では何が起こっている?(フロントロウ編集部)

自己責任ではなく、人道支援

 毎年8月19日に制定されている「世界人道デー」は、人道支援を行なっている人々を称える日。2003年8月19日にイラクのバグダッドにある国連事務所本部が爆発され、22名の人道支援関係者が犠牲になり、100名以上が負傷した事件をきっかけに、世界各国で人道支援に携わる人々、そして人道支援の精神に思いを寄せるために「世界人道デー」が制定された。

 人道支援とは、「緊急事態またはその直後における人命救助、苦痛の軽減、人間の尊厳の維持及び保護のための支援」と定義されている。

 とくに今年2020年は、新型コロナウイルスの影響で、ボランティアを含めて多くの人々が人道支援に携わっている。そして、紛争や貧困、難民問題などは、残念ながら現在も続く深刻な問題。また、日本では7月に九州や中部地方を集中豪雨が襲い、8月にはレバノンの首都ベイルートで大規模爆発が発生。人道支援の精神の重要性が、再認識されている。

 紛争地や新型コロナウイルスの感染拡大が深刻な土地では、ジェンダーにもとづく女性や少女への暴力の増加・激化も深刻。新型コロナウイルスの影響によって家にいることが多くなり、そのことから家庭内暴力(DV)被害が深刻になった女性達への支援のため、俳優のアンジェリーナ・ジョリーシャーリーズ・セロンなどが多額の寄付を発表している。

 一方で、日本でも支援は行なわれているが、“自己責任論”も広く唱えられている現実がある。大阪大学の三浦麻子教授などの心理学者グループが、日本、アメリカ、イギリス、イタリア、中国の5ヵ国に対してインターネットを通して行なった研究によると、「新型コロナウイルスに感染するのは自業自得だと思う」と答えた人の割合は、アメリカで1%、イギリスで1.49%、イタリアで2.51%、中国で4.83%であるのに対して、日本ではなんと11.5%にのぼる。

 「世界人道デー」に、世界中で人道支援に携わる人々へ感謝するとともに、その考え方や精神を学ぶことも重要。(フロントロウ編集部)

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