オリヴィア・ワイルド、マーベル作品の監督に抜擢か
2004年に公開された映画『ガール・ネクスト・ドア』でスクリーンデビューを果たしたオリヴィア・ワイルドは、『The O.C.』などの人気TVシリーズや『トロント・レガシー』などの映画に出演し、俳優としてのキャリアをつんできた。そして2019年には満を持して、映画監督としてデビュー。
オリヴィアが初監督を務めた『ブックスマート卒業前夜のパーティーデビュー』は、監督、脚本、主演のすべてが女性主導で制作され、2019年のSXSW映画祭でプレミア上映された後、数々の賞を受賞。フェミニストとしても精力的に活動するオリヴィアは、女性俳優が裸になるシーンの撮影では、大勢のスタッフが撮影現場に顔を出していた通常の撮影現場とは違い、セットには必要最低限のスタッフだけの入室を許可し、裸でいる間の撮影はセキュリティも強化し、新しい標準を作ったと称賛された。
こうして俳優としてだけではなく、監督としても評価され、常に女性たちが働きやすい環境を作るために動いてきたオリヴィアだけれど、新たに監督としてのオファーが。それは、米ソニー・ピクチャーズが企画している、女性キャラクターが中心となったマーベル映画の監督。まだ詳細は発表されていないものの、オリヴィアが監督を務めるのは、マーベルユニバースに登場するスーパーヒロインであるスパイダーウーマンが主人公となったものではないかと米Deadlineが報じている。
ハリウッドでは予算が大きい作品で女性監督の起用が少ないうえ、アワードで女性監督の評価が低いことがここ数年問題視されており、映画界で最も名誉のあるアカデミー賞では92年の歴史の中、監督賞にノミネートされたのはたった5人と、男女格差があるのは明白。
しかし影響力があるマーベル・スタジオの社長であるケヴィン・ファイギは、2018年に行なわれた米製作者協会(PGA)のProduced By Conferenceに参加した際、「今後公開されるマーベル作品20本全てが女性監督になるということは約束できないけれど、驚くほど多くの女性監督が起用されるだろう」と、女性監督を起用すると約束しており、これまでマーベルの映画では『キャプテン・マーベル』にアンナ・ボーデン、『ブラック・ウィドウ』にケイト・ショートランド、『エターナルズ』にクロエ・ザオ、そして『キャプテン・マーベル』の続編にニア・ダコスタという4名の女性監督を起用してきた。
そんななか報じられている、ハリウッドでの女性による女性の描き方をリードしているオリヴィア起用のニュース。MCUだけでなくこれからの映画界に良い変化を起こす起用として、今後の展開に大きく期待したい。(フロントロウ編集部)