大坂なおみ選手が、ウエスタン・アンド・サザン・オープンの準決勝の出場を辞退する意向を示した。(フロントロウ編集部)

追記(日本時間2020年8月28日)
大坂選手の意思表明を受け、ウエスタン・アンド・サザン・オープンも8月27日に予定されていた試合を全て延期すると発表。その後、WTA(女子テニス協会)が大坂選手に、28日に延期された準決勝への出場を打診。大坂選手も、出場することで抗議の意をさらに強く伝えることが出来ると考え、28日の準決勝に出場する運びとなった。

大坂なおみ選手が試合をストライキ

 (日本時間2020年8月27日)プロテニス選手の大坂なおみ選手が、警官による黒人殺害に抗議の意を示し、ウエスタン・アンド・サザン・オープンの準決勝の出場を辞退する意向を示した。

画像: 大坂なおみ選手が試合をストライキ

 アメリカではここ数ヵ月で、警官による黒人の殺害に抗議するBlack LivesMatter(ブラック・ライヴズ・マター)運動が広く行なわれている。しかし、そんななか8月23日に黒人男性のジェイコブ・ブレークが、彼の3人の子供の前で白人警官に背後から7発撃たれるという事件が発生。一命はとりとめたけれど、下半身に麻痺が残った。

 そのような社会の状況を受けて、大坂選手は試合の出場を辞退。スマホのノートに思いを綴り、ツイッターで公開した。

「こんにちは、皆さんの多くが知っているように、私は明日の準決勝の試合をする予定でした。しかし、私はアスリートになる前は黒人女性です。また、黒人女性としては、テニスをしているのを見るよりも、すぐに気をつけなければならない重要な事柄があるように感じます。私がプレーしていないときに何かが起こるとは思いませんが、大多数の白人スポーツの中で会話を始めることができれば、正しい方向への一歩だと思います。警官の手で黒人の虐殺が続いているのを見守る。言うまでもないことですが、黒人に起こった権利剥奪、全身性人種差別、その他の数え切れないほどの怪物は、私の胃を病気にさせます。数日おきに、新しいハッシュタグが表示されるのに疲れて、何度も何度も同じ会話をするのに非常に疲れています。いつ十分になるのでしょうか?」

 メッセージの最後には、2020年8月23日に警官に7回発砲された黒人男性のジェイコブ・ブレーク、2020年3月13日に“手違いで”8発の銃弾を警官によって浴びせられて死亡した黒人女性ブリオナ・テイラー、2019年8月24日に警官によって首を押さえつけられ、鎮静剤のケタミンを投与された後に心停止に陥り(※)、数日後に死亡したイライジャ・マクレイン、そして2020年5月25日に警官に首を圧迫されて死亡したジョージ・フロイドの名が綴られた。
 ※イライジャの明確な死因は明らかになっていない。

 アメリカのアスリート界では他にも、北米の男子プロバスケットボールリーグNBAと女子プロバスケットボールリーグのWNBAが、8月26日に予定されていたすべての試合をストライキ。メジャーリーグベースボールも、8月26日の試合を延期した。

 ジェイコブの事件の後に起こったプロテストでは、10代の少年がライフルを乱射し、死者2名、重傷者1名を出す事件も発生。少年は白人だった。(フロントロウ編集部)

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