がんにより40代という若さで逝去したマーベル映画『ブラックパンサー』主演のチャドウィック・ボーズマン。2022年に公開が予定されていた続編のキャストをめぐり、ファンはチャドウィック以外の起用を反対している。(フロントロウ編集部)

チャドウィック・ボーズマン、早すぎる別れ

 MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)の映画『ブラックパンサー』で主人公ブラックパンサー/ティ・チャラを演じたチャドウィック・ボーズマンが死去。2016年にステージ3の結腸がんと診断され、過去4年間ずっと、映画の撮影のあいだに手術や化学療法を続けていたことが初めて明かされた。

画像1: チャドウィック・ボーズマン、早すぎる別れ

 『ブラックパンサー』は、マーベル映画史上初めて黒人キャストや監督主導で単独映画が作られた作品。黒人のコミュニティに大きな影響を与えたと評価され、世界中で社会現象を巻き起こす大ヒットを記録した。主人公ティ・チャラが胸の前で腕をクロスして叫ぶ「ワカンダ・フォーエバー」というセリフは、愛と勇気の象徴として、エンタメ業界だけではなく、様々な場面で用いられたことでも知られている。

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 『ブラックパンサー』は第91回アカデミー賞において、史上初のアメコミ映画かつスーパーヒーロー映画として作品賞にノミネートされた。さらに、作品賞を含めた7部門にもノミネートされ、作曲賞・美術賞・衣装デザイン賞の3部門を受賞。本作は、アフリカの秘境にある超文明国ワカンダの青年ティ・チャラが、国の秘密を守るため世界中の敵と戦うというストーリー。文化と歴史を織り交ぜた深みのある構成で多くのファンを魅了した。

 そんな本作の主演で、日本では『ブラックパンサー』の役柄から「国王」という愛称でも呼ばれているチャドウィックの早すぎる死に、世界中が大きな衝撃を受けている。

チャドウィック・ボーズマンは永遠にティ・チャラ

 映画『ブラックパンサー2』は、2022年5月6日に続編の全米公開が予定されていた。しかし、チャドウィック亡き今、続編のキャストをめぐって論争が巻き起こっている。一部のファンは『ブラックパンサー』で圧倒的な存在感を発揮したチャドウィックの喪失を悼み、俳優を変えて欲しくないとマーベル・スタジオに意見。

 つまり、『ブラックパンサー2』のティ・チャラ役に別の俳優を起用するのではなく、制作自体をやめるか、全く新しい別の『ブラックパンサー』として映画を作り直すか、ということ。

 ファンは「@MarvelStudios、キャストを変えないで」や「もしかしたら、他のブラックパンサーは存在するかもしれない。でも、同じティ・チャラは決して存在しない」と、改めてチャドウィックという存在の大きさを考えさせるコメントをし、それぞれ大きな賛同を集めている。

 もちろん、『ブラックパンサー』を続けてほしいというファンも数多く存在する。続編について様々な憶測が飛び交っているが、公式の見解はまだ発表されていない。MCUのフェーズ4にとって要となる大作だと言われていた『ブラックパンサー2』は果たしてどうなるのだろうか。

画像: チャドウィック・ボーズマンは永遠にティ・チャラ

 マーベル・スタジオの代表を務めるケヴィン・ファイギは声明で、チャドウィックが実在した人物を多く演じたことに触れて、「チャドウィックの死は本当に衝撃的でした。彼は私たちのティ・チャラであり、私たちのブラックパンサーであり、私たちの親友でした。彼は舞台に上がるたびにカリスマ性と喜びを発散させ、スクリーンに現れるたびに本当に消えないものを作り出した。彼は出演作品において多くの人物を演じましたが、彼ほど、偉大な人間に息を吹き込むことに長けた人はいませんでした。彼は、彼が演じたすべての役と同じくらい、賢く、親切で、力強く、強かった。今では、演じた人々と並んで永遠のアイコンとなりました。マーベル・スタジオのファミリーは彼の死を深く悼み、今夜彼の家族と一緒に悲しんでいます」と述べた。(フロントロウ編集部)

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