モデルのエミリー・ラタコウスキーが、有名フォトグラファーのジョナサン・レーダー氏から性的暴行を受けたことを米Vultureに寄稿したエッセイのなかで明かした。(フロントロウ編集部)

エミリー・ラタコウスキーが性的暴行被害を告白

 2013年にシンガーのロビン・シックとファレル・ウィリアムス、ラッパーのT.I.のコラボ曲「Blurred Lines(ブラード・ラインズ)」のミュージックビデオに上半身裸で踊りまくる役で出演し、一躍時の人となったモデルのエミリー・ラタコウスキー。その抜群のプロポーションからファンのあいだで「神ボディ」と称されるエミリーは、フェミニストを公言するアクティビスト(活動家)としての一面も持ち合わせており、セレブという立場を利用してSNSなどを通じて積極的にポジティブなメッセージを発信している。

 そんなエミリーが、過去に有名フォトグラファーのジョナサン・レーダー氏から性的暴行を受けたことを、米Vultureに寄稿したエッセイを通じて告発した。

画像1: エミリー・ラタコウスキーが性的暴行被害を告白

 エミリーによると、被害にあったのは今から約8年前の2012年のことで、当時、彼女は21歳だった。ある日、自身のエージェントからレーダー氏に撮影の約束を取りつけたことを聞かされたエミリーは、一応、事前に“下調べ”をしたが、ネットで検索してきたレーダー氏の作品はどれも素晴らしいもので、とくに不審な点もなかったため「さらに深掘りしよう」という気にはならなかったという。

 また、この頃まだモデルとして駆け出しだったエミリーに決定権はなく、「レーダー氏に撮ってもらってポートフォリオを充実させれば、もっと給料の良い仕事が入ってきて、業界での地位を確立できる」という、エージェントの言葉を信じて従うしかなかったそう。

 しかし、撮影当日に事件は起きた。その恵まれた体を武器にモデルとして活動を始め、現在の地位を築き上げたエミリーは、本人の意思でこれまでに何度もヌードになったことがあるが、レーダー氏との撮影で服を脱ぐよう指示をされた時、心と体が離れていくような感覚に襲われたという。

 「それ以前に何度もヌードを撮影されたことがあった。それも、(カメラマンは)いつも男性だった。たくさんのエージェントやフォトグラファーから、私の体は数多いるモデルのなかでも際立っているもののひとつだと言われた。自分の体がスーパーパワーのように感じられた。それでも、(レーダー氏との撮影で服を脱いだ瞬間)自分の一部が切り離されたような感覚に陥った。まるで幽体離脱をしたような感じで、ベッドによじのぼる自分の姿を眺めていた。そして気づいた時には暗闇のなかにいた」

画像2: エミリー・ラタコウスキーが性的暴行被害を告白

 被害にあった時の記憶はモヤがかかったような感じで、はっきりとは覚えていないそうだが、最初にいたはずのメイクアップアーティストは部屋からいなくなっており、いつの間にかレーダー氏と2人っきりになっていたという。その時のことについてエミリーは、「感情以外の記憶はぼやけてるけど、キスをした記憶はない。ただ、気づいたら彼の指が私の中に入っていた」と振り返った。

 ちなみに、この時に撮影された写真は、2016年にレーダー氏によって“無断で”出版された。レーダー氏が自身のヌード写真を許可なく出版したことについて、4年前、エミリーは「この本とそのなかに掲載されている写真は暴力」と怒りのコメントを自身のツイッターに投稿していた。

カメラマン側は“事実無根”と否定

 エミリーの告発をうけて、レーダー氏の代理人は米Page Sixを通じて声明を発表し、「ラタコウスキーさんが注目を浴びるために掲載した虚偽の声明に憤りを感じています。レーダー氏は性的暴行を受けたという、彼女のとんでもない主張を否定しています。本当に気分が悪いです。彼女が日常的にマスコミにこういった嘘をついていることを悲しくも思います」と、性的暴行の事実について完全否定。

 レーダー氏側は、「彼女は(写真の)公開を停止する法的手段がないことを知っています。だから、写真家を非難するという卑劣な手段を取ることにしたのでしょう。(あの時撮影された写真は)本当にパワフルなもので、彼女のファンも気に入っています。だからこそ残念でなりません」とかなり強気な姿勢を見せている。(フロントロウ編集部)

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