パタゴニアのハーフパンツの“ある場所”に、放送禁止用語を使ったメッセージが隠されていた。その内容とは?(フロントロウ編集部)

パタゴニアからの隠れメッセージ

 アウトドアブランドのパタゴニアが、ある場所に隠していたメッセージが話題を呼んでいる。パタゴニアの人気ハーフパンツRoad to Regenerative Organic Stand-Up Shortsの“タグ”を裏返してみると、こんな言葉が…!

「投票でくそったれ達を追い出せ」

 英語の放送禁止用語である「asshole(くそったれ)」を使い、2020年11月3日に行なわれるアメリカ大統領選、上院議員選、下院議員選へ向けたと見られるメッセージを発信したパタゴニア。当初、タグの後ろにも文字があることに気がついた1人のSNSユーザーが写真を拡散したことで話題となったのだけれど、写真は本物なのかという声もあった。しかしパタゴニアのスポークスパーソンが、米Peopleの取材に対してタグは本物だと認めた。

「あれ(タグ)は、2020年メンズ・レディースのRoad to Regenerative Organic Stand-Up Shortsにつけられたものです。私達はこのハーフパンツを作り始めた頃からずっと、気候変動の否定者に抗議してきましたから」

企業として責任を持って行動しているパタゴニア

 パタゴニアといえば、創設者のイヴォン・シュイナードが2017年に、ドナルド・トランプ大統領がユタ州の2ヵ所のナショナルモニュメント(国定記念物)指定保護地域を大幅に縮小する決定をしたことを受けて、トランプ大統領を告訴している。トランプ大統領は大統領就任直後に、気候変動への国際的な取り組みを決めたパリ協定からの脱退を宣言し、2019年11月に国連に脱退を通知している(正式な離脱は2020年11月になると見られている)。

 そんな背景があり、今回のタグのメッセージも少なからずトランプ大統領を意識したものであると見られる。そのうえでスポークスパーソンは、シュイナード氏は長らく「投票でくそったれ達を追い出せ」と発言してきたとし、今回のメッセージは気候変動の対策に取り組まない政治家全員のことを指していると話した。

「政治家の所属政党にかかわらず、気づいていないわけではないのに、そのポケットの中がオイルやガス事業からの利益で埋まっているから、気候危機を否定し、軽視し、科学を無視する人々を指したものです」

 このタグは、今のところRoad to Regenerative Organic Stand-Up Shorts にしかつけられていないようだけれど、パタゴニアのトップコピーライターであるブラッド・ウィーナーズはツイッターで、さらに多くの商品にも同様のタグをつけるよう動いていると報告している。

 パタゴニアはこれまでも、企業として社会への責任を持って行動する姿勢を見せており、SNSで問題となっている偏見や差別などのヘイトの拡散に関して、広告主達がフェイスブックとインスタグラムに広告を出すことを止めて抗議する「Stop the Hate for Profit(利益のためにヘイトをするのは止めよう)」というイニシアティブにも、今年6月に参加。

 「パタゴニアはStop the Hate for Profitに誇りを持って参加します。フェイスブックとインスタグラムで今すぐにすべての広告を止め、少なくとも7月の終わりまで続けます。大手ソーシャルメディアが意味のある行動を取ることを待っています」とコメントした。(フロントロウ編集部)

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