『シンデレラ』が実写映画化
フィフス・ハーモニーの元メンバーでシンガーのカミラ・カベロが主演を務める実写映画『シンデレラ』。新型コロナウイルスの影響でスケジュールに変更が出ていたけれど、2020年8月より、イギリスで撮影が再開されている。
ソニー・ピクチャーズが手掛ける本作は、人気トーク番組『The Late Late Show(原題)』の司会者として知られるコメディアンで俳優のジェームズ・コーデンが企画したもの。ミュージカル色の強い作品になると見られていて、主演のカミラの他にも、映画『アナと雪の女王』のエルサ役で知られるイディナ・メンゼルが継母役、ドラマ『POSE』のビリー・ポーターがフェアリー・ゴッドマザー役に決定しており、歌唱力に定評のあるキャストが集結している。ちなみに、ジェームズもネズミ役で出演予定。
継母の設定が原作とは大きく違う?
そんな『シンデレラ』のストーリーは、原作に沿ったものになると言われていたけれど、一方で現代的にスタイルチェンジすると言われており、ある大きな部分で変化が見られるかもしれない。本作の監督であり、映画『ピッチ・パーフェクト』シリーズの脚本を務めたことでも有名なケイ・キャノン監督が、インスタグラムにカミラとイディナと一緒に撮った写真を公開。そこには、こんなキャプションが。
「カミラ・カベロ演じるシンデレラと、彼女のいじわる“じゃない”義理の母親のイディナ・メンゼル(この映画には悪者はいないよ)と、残りの撮影を心底楽しんでる」
『シンデレラ』といえば、継母と義理の姉達に意地悪されるシンデレラが、フェアリー・ゴッドマザーの力を借りて向かった舞踏会で王子と恋に落ちる物語。多くのおとぎ話では、母親が意地悪に描かれることが多かったけれど、夢を大きく持つ野心家の少女の話と言われている現代の『シンデレラ』では、意地悪な継母というステレオタイプを描く必要はないと判断されたよう。それどころか、悪者がいない世界観であることも示唆したキャノン監督。文章の最後にはハートの絵文字がつけられたように、愛が溢れる温かな作品になるのかもしれない。
イディナは継母を演じることについて、米ETのインタビューで、「パフォーマーとしての自分の様々な面を凝縮したようなかんじ」と語っていた。
本作で、姉のアナスタシアとドリゼラを演じるのは、2016年にアメリカで生放送された『ヘアスプレー ライブ!』で主演を務め、Netflix映画『ダンプリン』にも出演したマディー・バイリオと、ドラマ『宿命の系譜 さまよえる魂』などに出演しイギリスで活躍するシャーロット・スペンサー。
現代の『シンデレラ』としての期待高まる
本作は、古典的なおとぎ話『シンデレラ』の実写化ではあるけれど、現代的な雰囲気のものになる。これまで、白人女性として描かれてきたフェアリー・ゴッドマザーは、本作では黒人男性であり同性愛者であることを公表しているビリー・ポーターが演じ、ジェンダーフリーなキャラクターとして描かれる。ビリーはそのことについて、こう語っている。
「魔法に性別はない。だから、私たちはこのキャラクターをジェンダーレスとして描くことにしたの。というか、少なくとも私はそういうつもりで演じている。(フェアリー・ゴッドマザーをジェンダーレスとして描くということは)とてもパワフルなことだと思う。この作品は、『シンデレラ』という誰もが知るクラシックなおとぎ話を次世代向けにアレンジしたものになる。今の若い人たちは、この新しい作品を受け入れる準備ができていると信じてる」
その他のキャストとしては、Netflixドラマ『チェンバース: 邪悪なハート』のニコラス・ガリツィンが王子役、映画『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』や『オペラ座の怪人』で知られるミニー・ドライヴァーが女王役、映画『007』シリーズの5代目ジェームズ・ボンドとして知られるピアース・ブロスナンが国王役で出演する。(フロントロウ編集部)