新型コロナウイルスに感染したことを公表したドナルド・トランプ大統領が、新型コロナウイルスはインフルエンザより「遥かに致死性が低い」と、誤解を招くようなツイートしたことを受け、ツイッター社がこのツイートに忠告を表示したほか、フェイスブック社はこの投稿を削除する措置をとった。(フロントロウ編集部)

新型コロナウイルスに感染したトランプ大統領

 新型コロナウイルスに感染し、入院したものの、わずか3日間で退院したアメリカのドナルド・トランプ大統領

画像: 新型コロナウイルスに感染したトランプ大統領

 退院後にホワイトハウスに戻った際には、あえてマスクを外して集まった報道陣に向かって“健在”をアピールし、ウイルスの脅威に屈しない強い大統領であることを印象づけようとしたトランプ大統領だけれど、体調をめぐっては、まだ完治してはいないのではないかとする憶測も広がっている。

 一方、ホワイトハウス報道官のケイリー・マケナニーが米現地時間10月5日に新型コロナウイルスの陽性を公表したり、翌日には大統領に近しいスティーブン・ミラー上級顧問が陽性を公表したりするなど、ホワイトハウスではクラスターが発生したとの疑いが強まっており、現時点までにホワイトハウス関係者で20人以上が陽性を公表している。

“コロナよりインフルエンザのほうが危険”

 新型コロナウイルスに感染後も大統領としての執務を変わらずこなしていたトランプ大統領は、同様にツイッターでも通常運転で、積極的にツイートしているのだけれど、大統領が投稿したツイートの1つが問題視されることに。

 問題視されたトランプ大統領のツイートは以下の通り。

「インフルエンザの季節がくる! 毎年多くの人が、時には10万人以上の人々が、ワクチンがあるにもかかわらずインフルエンザによって亡くなっている。我々は国を閉鎖するだろうか? いや、私たちは共存することを学んだ。同様に、我々はCovid-19と共存することを学んでいる。ほとんどの人々にとって、(インフルエンザより)はるかに致死性が低いものだ!」

 トランプ大統領のツイートには現在、非表示になっており、次のような忠告文がつけられている。「このツイートは、Covid-19に関連した誤解を招く可能性のある有害な情報を拡散するというツイッターの規則に違反しています」

画像: @realDonaldTrump/Twitter

@realDonaldTrump/Twitter

 一方、トランプ大統領は同じ文言をフェイスブックにも投稿したのだけれど、こちらはフェイスブック社によって削除されている。フェイスブック社でスポークスマンを務めるアンディ・ストーン氏は米CNNなどに対し、今回の措置について、誤解を招く情報を投稿したことでフェイスブック社の規則に違反したことが理由だと説明している。

 米国疾病予防管理センター(CDC)が集計したデータによれば、ここ10年間でアメリカにおいてインフルエンザが原因で亡くなった人が最も多かった年は2016年から2017年で、この期間には6万1,000人がインフルエンザによって亡くなった。一方で、アメリカにおいて新型コロナウイルスが原因で亡くなった人の数は現時点で21万人を超えている。(フロントロウ編集部)

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