ミュージシャンのコナン・グレイが、日本人とアイルランド人の両親を持つミックスとして苦悩した思春期について思いを語った。(フロントロウ編集部)

Z世代から絶大な人気を誇るコナン・グレイ

 14歳の時にYouTubeチャンネルを立ち上げ、様々なシンガーのカバー動画を公開した後、オリジナルソングの「アイドル・タウン(Idle Town)」を発表。これが大きな話題となり、アリアナ・グランデやポスト・マローンが所属するリパブリックと契約したシンガーのコナン・グレイは、デビューアルバムをリリースする前から、3つの北米ツアーと初の欧州ツアーが全公演完売するほどの人気に。

 2020年3月にデビューアルバム『キッド・クロウ』を発表後は、テイラー・スウィフトがコナンの楽曲を大絶賛し、BTSのVことテヒョンもコナンと一緒に曲を作りたいとラブコールを送るなど、弱冠21歳ながら、すでに音楽界での存在感は抜群となっている。

バイレイシャルであるコナン

 そんなコナンは、日本人の母とアイルランド人の父を持つミックス。軍に所属していた父の仕事の関係で各地を転々とした後、小学校6年生でアメリカのテキサス州に移住した経歴を持つ。テキサス州は70%以上が白人の州であり、日本人だけでなくアジア系が少ない。その地域で育ったことは、コナンのアイデンティティに大きな影響を与えたそうで、米Peopleのインタビューでこう語った。

 ※コナンは恋愛ソングについて語る時も“He/She(彼/彼女)”という言葉は使わず、相手の性別を特定しない表現である「They(ゼイ)」を使用。インタビューでも、“Boy”といった性別を限定する言葉を使わないため、日本語訳でも一人称を“僕”ではなく「自分」と訳しています。

「ほとんどが白人の街でミックスとして育つことは、子供ながらに部外者だって感じるものだったよ。自分がどこにいるべきなのか分からなかった。白人の子供達のグループに入れる気はしなかった。だって彼らは『お前はアジア系だろ』って感じで、自分は『うん、アジア系だよ。君は何なの?』って感じだったから。かといって自分の学校には、一緒に安心して過ごせて馴染める他のアジア系の子がいなかった。自分がどこにいればいいのか分からなくて動揺した。そしてそれが理由で、自分はすごく、すごく、すごく、すごくシャイな性格になったんだ。誰を頼れば良いのか分からなかった。自分は完全に、図書館で1人で昼ごはんを食べているタイプの子供だったよ。そっちのほうが安心できたからね。今は、自分という人間になれてすごく、すごく感謝してる。でも子供の頃には、すごく困惑していたね」

 自分は何者なのか?という思いを抱えるアイデンティティ・クライシスは、ミックスの子供達や、自分の人種がマイノリティとなる環境で生活する子供達は抱えやすい。コナンもそんな思いを抱えながら思春期を過ごしたそうだけれど、現在はその日々に感謝しているという。

「当時の困惑、部外者として過ごした時間、みんなが白人として普通に田舎で過ごす姿を眺めていたこと、これらが自分をシンガーソングライターにした。そのことにすごく感謝してる」

 とくに、20代前半以下にあたる“Z世代”から絶大な人気を集めるコナンは、「いつでも曲を書く時の大きな目標は、みんなが曲の中に親近感とか安心感とかを見つけてほしいってこと」と最後に話し、自身の過去の経験が今に繋がっていることを感じさせた。(フロントロウ編集部)

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