多くの人がマスクを使用する昨今。ウイルスの感染対策には効果があるけれど、それによるゴミ問題が深刻になっている。(フロントロウ編集部)

使い捨てマスクのゴミ問題

 イギリスのコーンウェルを拠点とし、環境保護のために浜辺で清掃活動を行なうチャリティ団体のBeach Guardian(ビーチ・ガーディアン)が、新型コロナウイルスの影響により、ここ数ヵ月で多くのマスクや手袋のゴミが増えていると報告している。

 ビーチ・ガーディアンを立ち上げた海洋生物学者のエミリーによると、現在世界では、1ヵ月で1,940億枚の使い捨てマスクと使い捨て手袋が使用されているという。新型コロナウイルスの感染が拡大するなかでは、マスク等をきちんとゴミ箱に捨てることは必須であり、環境保護の観点からも重要。しかし残念ながらポイ捨ては増えている。エミリーは英Mail on Sundayにこう話す。

「もし海に放置されれば、分解されるまでに450年ほどかかります。他の場所での清掃活動よりも、ビーチで見つけることが多いです。それは怖いことです。なぜなら、ここは海に流される前の最終地点ですから。もしここで拾われなければ、多分、その後に拾われることはない」

 WWFジャパンによると、海にはすでに合計で1億5,000万トンのプラスチックごみが放出されている。そして国連環境計画2018年の推計によると、毎年1,300万トンのプラスチックごみが海洋に流出しているという。

使い捨てマスク自体が環境に悪い

 マスクや手袋、手の消毒液のゴミなどは、イギリスだけでなくフランス、そして日本や香港まで各国の海辺で増加している。そして使い捨てマスクは、ポイ捨てに限らずそれ自体が環境に悪い。

 多くの使い捨てマスクはプラスチックで出来ており、動物達が間違って食べる可能性もあれば、マイクロプラスチックが生態系へ悪影響を及ぼす可能性もある。また焼却処理をされる場合は、大気汚染に繋がることも指摘されている。

 そのため、各国で環境に優しい素材から作ったマスクの開発が行なわれているけれど、洗濯して繰り返し使えるマスクの使用も推奨されている。布マスクの効果を疑問視する声は多いけれど、米デューク大学や理化学研究所の実験で、綿で出来たものは約8割の飛沫の飛散を防くことが確認され、適切に作られた布マスクならば感染対策に有効であるとされている。また、一般人がリユースマスクを使用することで、各地の医療従事者に使い捨てマスクが行き渡るという結果にもなる。 “コロナごみ”の問題には様々な対策が必要となっているけれど、まずは、環境にも優しく、ファッションのアクセントとしても素敵なリユースマスクを取り入れることが、簡単にできる第一歩。(フロントロウ編集部)

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