リンキン・パークが『ハイブリッド・セオリー20周年記念盤』をリリース
リンキン・パークが10月9日、その独特なサウンドでシーンに衝撃を与えた1999年リリースのファーストアルバムが今年で20周年を迎えたことを記念して、『ハイブリッド・セオリー20周年記念盤』をリリースした。
本作には、未発表曲「シー・クドゥント」や、ファンには存在こそ知られていたものの初めてリリースされた「ピクチャーボード」をはじめ、68本ものレア音源が収録されており、ファンにはたまらない作品となっている。
リリースを記念した配信イベントを開催
バンドはリリース日と同日、Q&Aセッションと未公開ライブ映像「PROJEKT REVOLUTION 2002」の有料配信を開催。メンバー全員が集まってのインタビューは2017年以来3年ぶりという貴重な場となり、世界中からファンが集結した。
この日、リンキン・パークのメンバーを迎えたQ&Aセッションと2002年のプロジェクト・レヴォルーション・ツアーのラスベガス公演のフル映像ストリーミングがオンラインで開催。チケットは20ドルで同日に2回放映され、初回は2000人以上のオーディエンスが視聴した。ストリーミング前の質疑応答で、マイク・シノダ(Vo.)、ブラッド・デルソン(Gt.)、ジョー・ハーン(DJ)、フェニックス(Ba.)、ロブ・ボードン(Dr.)の5人は、『ハイブリッド・セオリー』の制作時のことや、20年に渡るキャリアを振り返った。
そのなかで、5人は特に心に残っている故チェスター・ベニントン(Vo.)との思い出についての質問にも答えており、それぞれ次のように回答した。
「チェスターは本当に、面白い男だった。いっぱい笑わされたよ。でも笑うと彼はそのエネルギーを受け取って、本気でノンストップで楽しませようとしてくるから、笑いたくない気持ちもあった。素晴らしかったよ。彼はいつも誰かの気分を上げようとする人だった。誰かが不機嫌そうな時とか、彼は『何かあった?』って聞くんじゃなくて、ただ寄ってきて笑わせようとしてくるんだ」(ジョー)
「チェスターは巨大なハートの持ち主で、ジョーが言ったように、人を助けて、人の気分を上げられる人だった。感情で繋がるっていう要素をこのバンドに持ち込んでくれた。『ハイブリッド・セオリー』は僕たちの誰もが経験する感情を歌ってると思うけど、チェスターはそれを音楽として、本当に深く表現できる人だった」(ロブ)
「5年くらい前のロンドンのO2アリーナのバックステージで、僕の家族と幼い娘たち3人と一緒にいたんだけど、たくさんの人がいて、ショウの前で慌ただしかったのに、チェスターが通りかかったら、娘たちの目線までしゃがんで『ハロー、会えて嬉しいよ!』って話しかけてくれたんだ。僕よりいい父親だなって思ったよ。彼の姿を見て、忙しすぎる状況でも何が大事か覚えていて、それを行動に移すってことを学んだんだ」(フェニックス)
「チェスターと僕は移動中によく一緒だったけど、特にショウの後、アニメみたいな架空のキャラクターを作って、その声で架空の話をするって遊びをやってた。即興が上手くない僕たちが即興をやるっていうね。移動中のツアーバスの中で、2時間とかずっとそうやってふざけ合ってたから、他の人たちは飽き飽きしてたと思うよ(笑)」(マイク)
「俺たちの間で嬉しかったことも冒険も出来事がありすぎて、どれか1つを選ぶのは不可能だよ。彼が恋しいし、世界的なアイコンと言えるパフォーマーで、ライターで、シンガーの彼がやってくれたことのすべてに感謝してる」(ブラッド)
その後のライブ配信は、ストリーミング中、視聴者がチャットで交流できるものとなっており、単なるライブ映像鑑賞以上の楽しみ方もできるオンラインイベントとなった。(鈴木美穂/フロントロウ編集部)