ディズニープラスの新作ドラマ『マーキュリー・セブン』の主演俳優パトリック・J・アダムスにフロントロウ編集部が単独インタビュー。アメリカの“ヒーロー”たちの物語が私たちに教えてくれることとは?

『マーキュリー・セブン』ディズニープラスの新作

画像: 『マーキュリー・セブン』ディズニープラスの新作

 ドラマ『マーキュリー・セブン』は、アメリカ初の有人宇宙飛行計画"マーキュリー計画"に選ばれた7人の宇宙飛行士、通称マーキュリー・セブンを主人公にしたDisney+ (ディズニープラス)オリジナルシリーズ。

 プロジェクトに選ばれたのは、優秀かつ野心あふれるテストパイロットたち。国家プロジェクトのために集められたエリート集団はぶつかることも多く、宇宙を目指す前に一致団結する必要があった。それに加え、世界的スターとなった彼らと彼らの家族の生活は一夜にして一変する。彼らは、宇宙飛行士に求められる“ライトスタッフ(己にしかない正しい資質)”とはパイロットとしてのスキルだけではないことに気づく。

 フロントロウ編集部では、物語の中心人物となる海兵隊のテストパイロット、ジョン・グレン少佐を演じたパトリック・J・アダムスにインタビュー。役作りから、ドラマの見どころ、ドラマが教えてくれることなどを語ってくれた。

パトリック・J・アダムスに単独インタビュー

歴史的な偉人を演じるにあたり、どのように役作りしましたか?

まずは膨大な量のリサーチから始めた。ここまでソースとなる資料が世界中にある人物を演じるのは初めてだったからね。インターネットで検索して、読める本は読めるだけ読んだ。オハイオ州立大学が彼に関する資料をたくさん保管してあったから、協力してもらって、手紙や日記、写真など、インターネットには載っていないものも見られた。そうした情報を取り入れたうえで、ジョン・グレンという人物を理解しようとした。我々が知るジョン・グレンは、彼が世間に見て欲しかったバージョンの彼なんだ。彼はカメラや世界の前でどう話せば良いかを理解していた。一種の仮面を持っていたんだ。一方で彼には舞台裏での顔があった。家で妻といる時の顔や、マーキュリー・セブンというグループの中で渡り歩いていくための顔。僕としては、そちら側の顔の勉強をより多くするようにしたよ。

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宇宙飛行士を演じるにあたり、肉体面でのトレーニングはしましたか?

肉体改造よりも、ドラマの収録は労働時間が長いから、肉体とメンタル面でそれに耐えられるように準備したね。撮影地はフロリダですごく暑かったし、しっかり水分補給して、しっかり休息を取って、数ヶ月に及ぶ長時間の仕事に備えた。宇宙飛行士のトレーニングとは全く違うね。彼らと同じようにあの回転する椅子に座らされたら僕はフラフラになってしまうよ(笑)。

画像: 宇宙飛行士を演じるにあたり、肉体面でのトレーニングはしましたか?

本作はNASAが舞台なわけですが、人間がヒーローやセレブリティに求めることについて考えさせますよね?

その通り。この作品はそこを深掘りしている点がワクワクするんだ。宇宙飛行士である彼らがプログラムを成長させて宇宙に行く姿を見るのはもちろん興味深いのだけれど、有名人になったせいで乗り越えなくてはいけない壁や、カメラの前でどう振る舞うべきかといった、あそこまでのレベルの有名人になった人たちが直面することが見られるのが面白い。とくにSNSの台頭でみんながセレブリティみたいになった現代の僕らからすると、理解ができないことだろうからね。なぜなら当時は、みんながプライバシーを持って生きている時代だった。とくに彼らはテストパイロットだったわけで、こういうことに慣れた人たちじゃない。それなのに今や、プログラムの予算を確保するために行動に気をつけなくてはいけなくなり、世界中にプログラムを宣伝する顔になってしまった。ジョンはそれに長けていて、7人の中で最も経験が豊富で、メディアの重要性を彼らに教えて理解させる役割にあった。僕は彼のそんな点に強く惹かれたよ。

画像: 本作はNASAが舞台なわけですが、人間がヒーローやセレブリティに求めることについて考えさせますよね?

このドラマは考えさせられるセリフが多いですが、最も印象に残っているセリフはありますか?

そう言われて今パッと頭に浮かんだのは、マーキュリー・セブンが記者会見をしたシーンのセリフ。実はジョン・グレンのアクセントを習得するために、実際の記者会見での彼の発言を何度も何度も繰り返して練習したんだ。別に大したことを言ってるわけではないんだけれど、アクセントをマネするには十分だった。しかし実際に脚本をもらったら、その時の発言は入っていなかった。だからライターに、あの時の発言をぜひ言いたいってお願いしたんだ。記者会見の中でも、あれは多くの人が見たことがあるアイコニックな瞬間だと感じたからね。だから僕はこれを強くお願いした。『どんな発言だったか知らない』って言われたから、『自分は知っています』と返したよ(笑)。そうしてアドリブのように入れられたんだ。あのシーンを加えられて嬉しかったという意味で、あの時のセリフが印象に残っているね。

画像: このドラマは考えさせられるセリフが多いですが、最も印象に残っているセリフはありますか?

ドラマのプレミアは、ドライブインシアターというユニークな形式で開催されましたね?

そう!ディズニーが取り入れたあの手法はすごく気に入ったよ。僕としては家から出られて良かった(笑)。あのよう安全な形でみんなに集まってもらえてすごく嬉しかった。それに(1950〜160年代が全盛期だった)ドライブインシアターで見られるなんて、ドラマの時代設定とぴったりだよね。

画像: パトリック・J・アダムスらキャストはマスクを着けてレッドカーペットに登場。

パトリック・J・アダムスらキャストはマスクを着けてレッドカーペットに登場。

画像: サンタ・モニカで開催されたドラマ『マーキュリー・セブン』のプレミアは感染対策のためにドライブインシアター形式で行なわれた。

サンタ・モニカで開催されたドラマ『マーキュリー・セブン』のプレミアは感染対策のためにドライブインシアター形式で行なわれた。

本作はレオナルド・ディカプリオがプロデューサーの1人を務めていますが、彼とプロジェクトについて話す機会はありましたか?

残念ながらなかった。レオナルド・ディカプリオは非常に多忙な人なんだ(笑)。ただ、彼のプロダクション会社アッピアン・ウェイを指揮している側近たちとは色々話せたよ。とくに、彼の制作パートナーであるジェニファー・デヴィッドソンとはね。彼女はレオナルドと詳細にやりとりしていたみたいだ。彼のチームは素晴らしかったから、彼のサポートがあったことに感謝している。

画像: 本作はレオナルド・ディカプリオがプロデューサーの1人を務めていますが、彼とプロジェクトについて話す機会はありましたか?

最後に、ドラマを通して視聴者に伝えたいメッセージは何でしょう?

このドラマは、意見が合わない人たちの集まりについての物語。今僕らが暮らす社会は、色々と分断されている。僕らを対立させようとする企業や団体も多い。このドラマは、人々が相手との違いは置いておいて一致団結して進むとすごい目標が達成できるということをリマインドしてくれる物語なんだ。彼らは経験ゼロで宇宙に行こうとした。特に当時は冷戦時代で不可能なことが多かった。しかし多くの賢い人たちが対立するのではなく一致団結することを選んだおかげで(有人宇宙飛行が)実現した。人間として我々みんながこのメッセージに共感してインスパイアされることを願っているよ。

画像: 最後に、ドラマを通して視聴者に伝えたいメッセージは何でしょう?

 パトリック・J・アダムスがアメリカのヒーロー、ジョン・グレン少佐を演じるドラマ『マーキュリー・セブン』は、Disney+ (ディズニープラス)で配信中。

ディズニープラス オリジナルドラマシリーズ
『マーキュリー・セブン』(全8話)
日本初独占配信中

(フロントロウ編集部)

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